こんにちは、予防歯科とインプラント・ホワイトニング・審美歯科で大切な歯を守る愛媛県松山市余戸伊藤歯科医院、院長伊藤泰司です。
先日日曜日は、先週までの寒さがウソのような穏やかな気候でした。
長女は塾の組み分けテスト、次女はクリスマス会で朝から妻と外出。
残る私は早々と朝食を済ませ愛車ホンダpcxにまたがり歯科医師会で本日行われる講演会に行ってきました。
今回の演題は「がん患者を支える歯科治療・口腔ケアー地域医療連携を成功させるための口腔管理の考え方ー」でした。
静岡の県立がんセンターから大田洋二先生をお迎えしての講演会でした。
驚くべきことに、がん治療の術後合併症発症率を見てみますと、口腔ケアを実施した場合は、実施しなかった場合より術後合併症率を7分の1にするという報告がありました。
このように、口腔ケアの導入はがん患者の術後合併症の防止に有用であることが現在では通説となってきました。
また抗がん剤治療中の患者に対する歯科治療の重要なポイントをいくつか挙げられていました。
歯科治療の原則として、予防的口腔ケアと歯周病治療は、化学療法開始前または化学療法終了後に施すとより安全に行えます。
その時には下記の条件を満たすことが原則となります。
1.軟組織に優しい処置を行うこと。
2.血小板数が4~5万/μℓ以上であること
3.白血球数が2000以上/μℓ(好中球数では1000以上/μℓ)
また化学療法を受ける患者の40%に、口腔への副作用が発症します。
化学療法による口腔有害事象として、口腔粘膜炎があり、口腔粘膜炎は、がん臨床で発症頻度が高く、患者のQOLを低下させ、治療中断や延期をさせる要因です。
口腔粘膜炎の対処として、重要なのは口腔内を清潔に保つこと口腔内を保湿することそして疼痛のコントロールをすることです。
それぞれについて、日常臨床でも応用できる方策を先生には教授して頂きました。
当院は四国がんセンターと連携してがん患者に対する口腔ケアを行っています。
今日研修したことを明日からの臨床に生かし、がん患者の口腔ケアに実施していきたいと思います。
今回の講演会は非常に有意義なものでした。
今後は機会あるごとに、具体的な方策をブログでご紹介していこうと思います。
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