こんにちは、広報・受付担当トガワです。
心疾患や肺炎などの全身疾患では、男性と女性とでは罹患率に差があるといわれています。
この男女での差がなぜ生じるかを医学的や生物学的、また様々な要因を検討し、医療に反映していくことを性差医療といいます。
性差医療は、医科の分野では10数年前から取り入れられていましたが、今まで歯科においてはあまりなじみがありませんでした。
最近では女性ホルモンが口腔内に影響を与えることが唱えられており、歯科領域でも性差医療を考慮していく流れになっています。
女性ホルモンは、妊娠と出産の準備を整えるため、月単位の周期で変動しています。
また更年期以降の減少も、生涯を通じてゆっくり低下していく男性ホルモンと違い、女性ホルモンは40代から急激に減少していきます。
そのため、頭痛や発汗、骨量の変化など更年期に現れる身体の変化や疾患に男性と女性で違いがでてきます。
女性は思春期、性成熟期、更年期で心身ともに大きな変化を起こします。
精神面や口腔内への関わりも出てくるので、ライフステージに起こる心身の変化に応じた歯科診療が大切であるとわかってきました。
女性ホルモンは、女性の口腔内にさまざまな作用を及ぼしているといわれています。
例えば歯周病原細菌です。
生体の免疫応答は、歯周病原細菌を排除しようとする働きがありますが、女性ホルモンは歯周病原細菌の増殖や歯肉毛細血管の拡張などに影響を与え、歯周組織での炎症反応を増大させてしまいます。
そのため、思春期性歯肉炎や妊娠性歯肉炎などの女性特有の症状がみられます。
思春期(10歳~18歳ころ)になると、女性ホルモンの分泌が開始されますが、身体と精神の成長速度に差があるため、心身のバランスが崩れやすくなります。
口腔内の清掃が不十分であると、高温期に歯肉の発赤、腫脹、疼痛がみられることがあり、歯肉炎を発症しやすくなります。
お口の中を清潔に保ち、定期的な健診を受けることが必要です。