こんにちは、予防歯科とインプラント・審美歯科で歯を大切に守る愛媛県松山市余戸伊藤歯科医院、院長伊藤泰司です。
「あなた、最近いびきが大きくなってきたわよ、昨日なんかいびきをしなくなったかと思うと20秒ぐらいして、ヒッヒッ ゴーと言うじゃない。わたし、心配だったから体をゆすったのよ。それって、睡眠時無呼吸症候群(SAS)じゃないの?」
「何を仰るウサギさん、あなただって先に寝ている時は凄いいびきだよ」と、まぁ、こんな会話が中年ご夫婦の間では交わされているのではないでしょうか。
それってやっぱり睡眠時無呼吸症候群かその予備軍であるとみてよいと思います。SASの潜在的な患者数は国内では200万人以上と言われています。しかし、本格的な治療を受けている人はまだわずかです。
当院ではこのような呼吸イベントをモニタリングする装置が実はこれです。心拍数と血中の酸素飽和度を記録するパルスオキシメーターと呼ばれ一昔前の携帯電話を一回り大きくしたぐらいの器具です。
被検者にはこの装置を持ち帰ってもらい、洗濯ばさみのようなセンサーを指先につけて一晩寝てもらいます。
その時の記録された酸素飽和度の推移から睡眠中の呼吸状態を推測することが出来るのです。
これによってSASの疑いを判定することが出来ます。
悲しいかな、歯科医師にはSASの診断は出来ないため、そのような疑いのある患者様は専門医への受診を勧めています。
冒頭の夫婦の会話実は私と妻との会話です。
今夜は私が被検者になって、使ってみることにします。
SASの軽度なものですと歯科で作るマウスピースに似た口腔内装置治療が効果的であると医科の専門医からも注目されています。
もちろん当院でも医科からの紹介があれば作製していています。患者様に使っていただいて大変良い臨床結果を得ています。
しかしながら,歯科の立場から無酸素呼吸症候群(SAS)患者への対応や治療の客観的な評価が得られているかと言うとまだ十分ではないと言わざるを得ません。
今後はこのパルスオキシメーターを応用した簡易スクリーニング検査によって更に効果的な治療方法を検討してみる必要がありそうです。