痛みに配慮した治療を心がけている愛媛県松山市の歯医者
これまで、人々が歯周病にかかると歯を失う原因になる、あるいは、ものをよく噛めなくなるといったお口の中の問題としてだけ扱われることが一般的でした。しかし、歯周病の問題はそれだけにとどまらず、実は全身にもさまざまな影響を及ぼします。たとえば妊娠されている方でいうと低体重児早産の原因になったり、また、心臓血管疾患や糖尿病などがある場合は、それを悪化させるなどの事実が次々と明らかになってきています。
この研究がさかんな米国では、すでにperiodontal medicine(歯周医学)という研究医療体系も作られています。これまでは、歯周病は口の中だけで問題を起こす病気と考えられてきましたが、歯周病は口の中だけではなく、全身の健康へも影響を及ぼすことが最近の研究によってわかってきたのです。
歯周病菌が歯肉から侵入することで、動脈硬化のリスクを高める可能性があることが報告されています。心臓に血液を送る血管が狭くなったり詰まったりすることで、心筋症や心筋梗塞といった病気を引き起します。
また、心臓の内膜に歯周病菌がつくと、心内膜炎を引き起こし、命に関わる恐れもあります。
歯周病菌が歯肉から侵入し血液中に入り込むと、インスリンの働きを低下させてしまい、血糖値が下がりにくくなります。
また、歯周病で歯を失い柔らかい食べ物を中心に食べる食生活が続いてしまうと、栄養バランスが偏り、糖尿病のコントロールに悪影響を与える可能性があります。
骨粗しょう症は骨密度が低くなり、骨がもろくなってしまう病気です。歯周病歯肉に炎症を起こし歯を支えている骨を溶かしてしまうため、骨粗しょう症の方が歯周病にかかると、骨が溶けやすく重症化しやすいのです。
一部の研究では、重度の歯周病が早産のリスクを高める可能性があると報告されています。妊娠中に歯周病になると、サイトカインという物質が増殖します。それが出産の合図になり、陣痛や子宮の収縮をし始めてしまうのです。ただし、すべてのケースに当てはまるわけではありません。
歯周病が重症化し、その歯周病菌が誤嚥されたもいのと一緒に灰に貼ってしまうと肺炎を引き起こしてしまいます。高齢者に多い誤嚥肺炎ですが、歯周病菌が誤嚥によって肺に入ることで、誤嚥性肺炎のリスクを高める可能性があります。
毎日歯を磨いているし、食生活にも気を付けているから大丈夫!と思っていませんか?ご自身では見落としてしまう場所に汚れが付着して歯肉に炎症が起きているケースは少なくありません。
歯周病の初期段階はなかなか気づけず、気づかない間に重症化してしまっていることが多くあります。自分は大丈夫と思わず、まずは歯科医院で検査してご自身の口腔内の状況を把握しましょう。
また、ご自宅でのセルフケアに加えて定期的な歯科医院でのプロフェッショナルケアは非常に大切です。ご自身では見落としがちな歯の汚れやご自身では落とすことのできない汚れもしっかりと除去してもらいましょう。