こんにちは、広報・受付担当トガワです。
歯科治療は、歯並びを整える矯正治療や歯周病治療、入れ歯作製とたくさんの分野がありますが、やはり日々の診療でいちばん多い治療は「むし歯治療」です。
歯は層になっていて、エナメル質表層に限られたごく初期のむし歯であれば、再石灰化という歯と唾液の力で自然修復が可能です。
そのエナメル質よりも深くに広がってしまったむし歯は、キーンと高い音のする器具を使って削らなければいけません。
仮にむし歯を治療せずに放っておいた場合どうなるのでしょうか。
もちろん、むし歯によって穴が開いてしまった歯は元に戻ることはなく、良くて現状維持、多くの場合はさらに深く進行してしまいます。
では、このやっかいなむし歯とは一体何でしょうか?
1955年に、ラットを用いた研究で初めてむし歯が細菌性疾患であることが報告されました。
むし歯菌の多くは、母親の口腔内から子どもへと伝播するといわれています。
さらに、これに食事の「糖質」が関わってきます。
スクロースという糖質が、むし歯菌体周囲に粘着性のあるグルカンなどのグルコースのポリマーを作ります。
この細菌が歯のエナメル質に付着して、歯垢(プラーク)が形成されます。
細菌はプラークの増殖過程で、糖質がエネルギー源として利用され、その段階で生成される酸などの有機物によって歯のエナメル質が脱灰します。
こうしてむし歯が出来上がります。
また、むし歯は多因子性の疾患であると結論づけられ、むし歯発症の3因子が整理されました。
まず宿主である歯、基質である糖質、そして細菌がそろったときにむし歯が発生します。
後にこの3つに時間という要因がプラスされました。
このうち1つでも足りなければむし歯は発生しないといわれています。
糖質を細菌が分解して、酸などの有機物に変えて歯を溶かしていきますが、歯が溶けだす前に(時間)細菌を除去してしまうというものを、プラークコントロールといいます。
では次回もむし歯のお話をしていきます。