こんにちは、予防歯科とインプラント・審美歯科で大切な歯を守る愛媛県松山市余戸伊藤歯科院、院長伊藤泰司です。
朝起きるといい天気でした。少し朝は冷えましたが日中は穏やかな日和になりました。そういえば昨日から「伊予路に春を呼ぶ椿さん」が始まっています。
研修会がありますので、いつものようにバイクで歯科医師会館へ向かいます。
今日は午前・午後に分けて2つの別々のテーマで講演があります。
午前中は学校歯科医の先生方が集まりに日本学校歯科医会(日学歯)主催の「学校歯科医生涯研修制度」基礎研修会がありました。
社会から信頼し得る学校歯科医を構築すること、生涯にわたって資質の維持と向上を図り幼児、児童生徒の歯・口腔の健康増進に貢献することを目的にこのような研修会が実施されることになりました。
この研修会の内容を学校歯科医の先生方に周知徹底していただくために日学歯よりテキストが作られ それに基づき、講演は行なわれました。
このような日学歯の研修会は愛媛県では年内1回程度で3年間今後実施される予定です。
「学校歯科保健保険の概念」を日学歯専務理事丸山進一郎先生、「学校歯科保健における保健教育」を愛媛県歯科医師会理事直野良信先生、「学校歯科保健における保健管理」愛媛県歯科医師会学校保健部委員長稲田雅仁先生、「学校歯科保健における組織活動」を丸山進一郎先生に講演していただきました。
学校歯科保健は、歯・口腔を通じ、保健教育と保健管理の協調の中で、「心身ともに健康な国民の育成を期する」活動です。
特に学校での「歯・口の健康つくり」は人間性の陶治にも優れており、子供たちの「生きる力」の育成に重要な活動であるといえます。
そして我々学校歯科医は、医療者の立場だけでなく、教育者の立場の視点を持って職務を全うすることが大切だと強調されました。
あらためて学校歯科医の役割を理解し、学校保健教育においても歯科保健の内容がどの程度教育されているかを把握しておくことが大切です。
小学校を例にとると、体育科の「保健領域」で第3、4学年には「歯や口の清潔」「歯の発達」第5.6学年には「歯の怪我と手当て」「むし歯・歯肉炎の原因と予防」を題材として取上げることが多いようです。
また、実際の健康診断の流れと要点についての解説と抜去歯牙を用いて健全歯・CO・C・処置歯の鑑別やG・GOの鑑別実習がありました。
学校における健康診断はあくまでもスクリーニングすることが目的であるため、鑑別に迷う症例の時にはより軽度に分類することが大切であると講演されていました。
講演では実習も行なわれとても有意義な内容であったと思います。学校歯科医の役割、職務の責任をあらためて感じました。
午後からは「標準的な成人歯科健診プログラム・保健指導マニュアル」説明会がありました。
日本歯科医師会では「標準的な成人歯科健診プログラム・保健指導マニュアル」を作成し、それに基づいて今後は成人歯科検診・保健指導を実施される方向になりました。
今回はその健診の概要と実施するに当たりどのような点に注意をすべきか具体的な事例を挙げての説明がありました。
今回の標準的な成人歯科健診プログラム・保健指導マニュアルは従来型の疾病発見型ではなくリスク発見・一次予防重視の行動変容支援型という新しい発想に基づくプログラムです。
その流れを説明します。
事前に質問用紙に記入してもらい、その回答から受診者に必要な情報提供・環境整備・受療勧奨といった類型化を行なうものです。
その類型結果に基づき保健指導実施者(歯科衛生士・保健師等)が、受診者に必要とされる情報提供と支援を行い健康に関わる行動変容のための目標設定を共同で行なう参加型の保健指導を実施します。
フォローアップは保健指導の必要度に応じて段階的に実施します。受診者の行動変容を継続的に支援していきます。
更に歯科健診・保健指導の評価を継続的に実施し、受診者・歯科医療者・関係職種で共有していきます。
従来行なわれていた歯科医師の診査により疾病の有無によって受診勧奨・保健指導が行なわれていましたが、今回の新しいプログラムではあくまでもオプション(可能であれば実施)となっています。
更にその指導実施者の主体は歯科医師から歯科衛生士・保健師へと移行しています。
後半には役員の先生が保健指導を受ける患者と指導する衛生士・保健師に扮して実習・ロールプレーがありより分かりやすく理解できました。
この新しい成人歯科健診プログラム・保健指導マニュアルが定着するには発想の転換が必要となってきます。
柔軟な思考で出来るだけ早く転換できるようにしていきたいと思います。