こんにちは、審美歯科とインプラント・ホワイトニング・予防歯科で大切な歯を守る愛媛県松山市余戸伊藤歯科医院、院長の伊藤泰司です。
日本東洋歯科医学会に入会して勉強していますと、何かと患者さんの舌の色、形が気になるものです。
最近は高齢者や生活習慣病を有する患者さんが多く来院されるために舌の複雑な所見を見る機会が多くなってきました。
舌診によって得られた情報から患者さん一人一人の体質に合った診療や生活指導が特に大切であり、東洋医学的な「未病のうちに治す」という考え方を実践できればとても素晴らしいことだと思っています。
舌診は治療を目的とするよりは予防医学的な側面が強いと感じます。
つまり、病気になる前、あるいは病気が重症化する前に舌に現れる所見を観察して、今後起こりうるリスクを察知して、身体に生じた変化を元の状態に治す自己治癒力を高めるための治療を選択することだと思います。
舌を観察することによって未病の状態を把握することができます。
その診断に基づき、未病の段階で対応を図ることによって、症状の進行を止めたり、健康な状態に導くことが東洋医学の基本的な考え方です。
従いまして、東洋医学の本質は予防医学といえるかもしれません。
その意味からも舌診は予防医学的な診断法ともいえます。
舌は咀嚼・嚥下機能・味覚・発語など口腔機能に欠くことのできない器官でありますが、全身状態の変化が表れやすいことから「全身を映す鏡」と言われています。
ところが、最近では臨床検査が目覚ましく成果をあげているため、、舌を診ることは隅に追いやられている感があります。
しかしながら歯科医や衛生士は特に患者さんの舌を診る機会に恵まれていますから、舌を診ることで患者さんの全身状態の傾向や程度を把握できれば患者さんを診療するうえでの一助になると確信しています。
今後はさらなる研鑽を積みいろいろな症例に対処できるようになりたいと思います。