みなさん、こんにちは。伊藤歯科医院です。
今回は、当院でも行っているインプラント手術において、骨がないあるいは骨が薄い場合に並行して行われる「サイナスリフト」と「ソケットリフト」という治療のお話です。
上の奥歯にインプラントをしたいけれど、骨が足りない、薄いことが理由で、治療を諦めかけている方は少なくありません。
実は、上の奥歯のエリアは、すぐ上に「上顎洞(じょうがくどう)」という鼻につながる大きな空気の部屋(空洞)があるため、もともと骨の厚みが不足しやすい非常にデリケートな場所です。
そのため、歯が抜けてから時間が経っている方や、もともとの骨格によっては、一般的な治療方法だけではインプラントが打てないと診断されてしまうことがあります。
ですが、現代のインプラント治療には、足りない骨を安全に増やす「骨造成(こつぞうせい)」という技術があります。
世界中で数多くの臨床研究や治療実績が積み重ねられ、その安全性や長期的なお口の健康への効果が科学的にしっかり証明されている安心の治療法です。
その鍵を握るのが、「ソケットリフト」と「サイナスリフト」という2つの頼もしいアプローチです。
① 骨が「あと少し」足りないときは『ソケットリフト』
残っている骨の厚みが「約5mm以上」あり、インプラントをある程度支えられそうな場合は、この方法を選びます。
インプラントを植立するためにあける「小さな穴」から、専門の器具を使って上顎洞の底にある粘膜をミリ単位で優しく押し上げ、そこに骨のもとになるお薬を入れます。
② 骨が「大幅に」足りない難症例には『サイナスリフト』
骨の厚みが「1〜4mm以下」、あるいは「ほぼ1mm未満」という、非常に骨が薄い難しいケースで大活躍するのがこの方法です。
歯ぐきの横(お口の側面)からアプローチし、ドクターが直接目で見ながら、上顎洞の粘膜を大きく、丁寧に、優しく持ち上げてスペースを作り、そこに十分な量の造骨材を敷き詰めます。
💡 科学的根拠(エビデンス)に裏付けられた安心の治療
「無理やり骨を増やして、インプラントは長持ちするの?」と心配になる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、国内外の多くの臨床データにおいて、これら2つの方法で骨を増やして植えたインプラントは、もともと十分な骨があった場所に植えた場合と変わらない、「10年以上の高い生存率(90%以上)」が証明されています。
決して無理な治療ではなく、確立された安全なステップです。
まとめ
骨が少しだけ足りない時は、お体への負担が少ない「ソケットリフト」。
骨がほとんど失われている難しいケースでは、確実かつ安全にたくさんの骨を再構築できる「サイナスリフト」。
この2つの技術があるからこそ、かつては治療ができないと言われていた患者様でも、再び自分の歯のようにしっかり噛める喜びを取り戻せる可能性が十分にあります。
ご自身の骨が今どんな状態なのかは、精密なCT検査を行うことで安全に、詳しく調べることができます。
まずは諦めてしまう前に、ぜひ一度相談してみてくださいね。







