こんにちは、愛媛県松山市余戸伊藤歯科医院院長伊藤です。
今日は、歯科医師会館で『顎関節症と歯科的食育のススメ』という演題で日本歯科大学附属病院総合診療科准教授顎関節症診療センター長原節宏先生の講演がありました。
日曜日にも関わらす46名の先生方が熱心に朝から夕方まで聴講されていました。
顎関節症の診査・診断・治療に関してはまだまだその疾患の取り扱いに関するコンセンサスが得られていないというのが現状です。
日本でも日本顎関節学会監修の「診断と治療のガイドライン」を見直す必要が生じてきています。
原節宏先生は、「顎関節症の疼痛に関しては、筋肉で痛みを感じているとしても、関節で痛みを感じるとしても、関連する筋・筋膜・腱・腱膜・結合組織などの膜組織に関わる循環障害由来の疼痛と機能不全であることがほとんどで、関節そのものや骨に関わる形態異常由来である例は非常に少ない」という考え方をされています。
従いまして、顎関節症の治療と目的は「生活習慣の改善」と「理学療法」を基本とし、①身体の緊張をとること②精神的に安定させることを目的としています。
この考え方は従来のスプリントに頼って治療をしてきた我々開業医の顎関節治療における概念を大いに覆すものとなります。
今後はホームケアとして生活習慣の改善指導を主軸として顎関節症に非侵襲的で安全で治療効果の高い自己マッサージ・自己ストレッチ療法を治療の一環として取り入れて顎関節症にアプローチしていこうと思います。