みなさん、こんにちは。
伊藤歯科医院カワニシです。
糖尿病とはインスリン作用の不足によって起こる慢性の高血糖を特徴とする疾患です。
一般的には、多因子疾患としての2型糖尿病が90%以上を占めているそうです。
2型糖尿病は、加齢や肥満、運動不足や家族歴、耐糖能異常などが要因となって引き起こされます。
そのほかの糖尿病としては、1型糖尿病、妊娠糖尿病、遺伝子の異常や他の病気が原因となる糖尿病に分類されます。
糖尿病になると微小血管障害が惹起されて感染しやすくなったり、硬軟組織の両方の治癒を阻害するため、創傷治癒不全が引き起こされやすいといわれています。
このため糖尿病は、インプラント関連手術において、手術時にも予後にも影響を与えるリスク因子となります。
そんな糖尿病ですが、インプラント関連手術の際には、術前のHbA1cが6.9%以下で、空腹時の血糖が140mg/dLと、ケトン体が陰性であれば手術を行うことが可能だといわれています。
糖尿病患者さんは感染しやすかったり創傷治癒が遅かったりといったリスクが高いため、インプラント関連手術の前には抗菌薬を服用してもらうことになります。
糖尿病はしっかりとコントロールされていれば感染率は一般患者と同じであるといわれていますが、コントロールが良くなければ、感染リスクが5倍も高くなることが報告されています。
糖尿病性腎症の場合には、腎機能の手回の程度に合わせて抗菌薬の種類や用量・用法を調整する必要があります。
また抗菌薬や消炎鎮痛薬によっては、一部の糖尿病薬の作用を増強させることがあるので、かかりつけのお医者さんとの連携が必要になります。
糖尿病の急性合併症には、低血糖や糖尿病ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖症後群などがあります。
低血糖発作が現れた場合には、ブドウ糖を中心とした糖質(甘いジュースやアメ玉など)を摂取すると落ち着きます。
糖尿病があるからインプラント治療が受けられないと悩んでいる方でも、問題なくインプラント手術が受けられることもあるので、一度ご相談ください。