土曜日診療後、歯科医師会館で真鶴会主催の講演会がありました。
オープン参加でしたので、出席させていただきました。
演題は「歯科医師のための血液データの診かた」です。
講師は愛媛大学大学院医学系研究所分子遺伝制御内科学特任講師西田亙(わたる)先生です。
非常に興味のある演題でしたので、多くの先生方が最後まで熱心に聴講されていました。
「歯周病は糖尿病の6番目の合併症」と言われますが、本当は、「歯周病は内科医が6番目に認知した合併症である」と言うなんとも自戒的な言葉が印象的でした。
このように内科医から認知が遅れた歯周病ですが、我々歯科医が徹底的に歯周治療をすることによって、なんと糖尿病がコントロールされてくることが分かってきました。
糖尿病のコントロール指標値である、HbA1cが1パーセント改善されることが明らかになってきたのです。
HbA1cが1パーセント低くなることは、脳心血管障害・網膜症の発症リスクが約1割から3割近く減少することが分かってきました。
歯科医院で定期的にメンテナンスをして歯周病治療をしていくことにより、糖尿病のリスクは減少していくわけです。
このように歯周病と糖尿病はお互いに密接な関係を持っていることが近年明らかになってきたのです。
そこには共通基盤として、炎症が存在していることが両者の関係の謎解きの鍵となってきました。
この謎解きの仮説検証のために「愛媛Dental Diabetes研究会」の先生方と協力してデータ集積をされています。
今年中にはデータの解析が終了して論文が作成される運びとなるそうです。
そうなれば、多くの人に糖尿病と歯周病の関連が認知され 医科と歯科の両面から捉えることで両者の早期発見・早期治療に拍車がかかり、広く社会に貢献することができる様になってきます。
今後はますます歯科医として役割の重要性が社会から認知されてくるようになってくると思います。