こんにちは、インプラントと予防歯科・審美歯科・ホワイトニングで大切な歯を守る愛媛県松山市余戸伊藤歯科医院、院長伊藤泰司です。
今日は先日講演会で紹介されていた本の紹介をしていきます。
石飛幸三著『「平穏死」のすすめ』です。
人間は誰しも死に対して恐怖を持っています。
ならばせめて苦しまないようにー…
そう願うものです。
時代の変遷とともに、死も高齢化しています。
高齢者はいかに死を迎えればよいのか、老衰の果ての死に対して、医療はどのように関わるべきか、それがこれからの大きな課題であると筆者は語っています。
特別養護老人ホームは、人生の終末を迎えるにあたって安らかに過ごすために設けられた施設です。
多くの入居者は、本当は自宅で最期を迎えたいのですが、家族への負担を考えてホームでの最期を望むそうです。。。
医療技術の発達により死ぬまでの時間は引き延ばされましたが、医療は死を止めることはできません。
老衰の終末期にもかかわらず、医療により延命治療をされるべく、日本人の80%が病院で亡くなっています。
筆者は40年以上外科医をされ、現在特別養護老人ホームに勤められています。
ホームはいわば現代人の駆け込み寺であり、多くの方がホームでの自然な終わりを願っておられます。
しかし筆者がホームで見た現実は、筆者の思いとは異なるものだったそうです。
筆者は終末期の高齢者には過剰な水分や栄養を控えて穏やかな最期を見届けるべきだと訴えています。
この本は、現在特別養護老人ホームでどのようなことが行われていたか、そして筆者が何を変えたか、筆者の思いが伝わる一冊となっています。
口から食べられなくなれば胃ろうが当たり前に行われている現実に対し生涯口から食べられることはどれだけ大切なことかを、我々歯科に従事する者は改めて肝に銘じておかねばならないことだと思いました。