25日(日)秋晴れのすがすがしい日に研修会がありました。
前半は「呼吸器系感染症の予防とその課題」というテーマで感染症流行への行政対応からの御立場から愛媛県保健福祉部医療政策監・健康衛生局長 新山徹二先生のご講演がありました。
平成21年年に流行した新型インフルエンザの経験を踏まえて、行政の対応、マスコミへの対応のお話が聞けました。
また結核につきましては、諸外国と日本の結核罹患率を比較してみますと、2014年の資料で人口10万人に対してなんと欧米で3%~8%であるのが日本は15.4%です。
先進諸国の中でも異例の蔓延国といえます。
また結核の罹患率も都道府県によって異なり、大阪・長崎・和歌山・京都・東京は19%以上の罹患率と高く、逆に長野・宮城・山梨・新潟・秋田は9%以下で低い罹患率となっています。
わが愛媛県は13.5%で全国平均(15.4%)より若干低いといえます。
結核は結核菌に感染することにより発症し、日本人の結核のほぼ8割は肺結核といえます。
結果の初期症状は咳,痰、微熱などで進行してくと、体重減少、食欲不振,易疲労、息切れ、血痰、喀血などが見られます。
結核は飛沫核感染(空気感染)で、水分が蒸発した飛沫は飛沫核となり空中に長く漂うことになります。
結核の進行は慢性的で、感染を受けた人のうち発症するのは10人に1人程度である。
発症する場合は感染を受けてから2年以内が多く、発症者の約6割が1年以内といわれています。
予防接種はBCGが有効とされています。
以上の結核の基礎知識の確認がされました。
後半は、「感染予防・院内感染対策」というテーマで昭和大学歯学部全身管理歯科学講座
歯科麻酔学部門 五島結衣子先生のお話がありました。
感染予防の基本的心得、感染経路の説明からはじまり、1996年アメリカ合衆国のCDCにより提唱された標準予防策(スタンダードプレコーション)の重要性を強調されていました。
院内での吐物処理の方法、訪問歯科診療時の感染対策についての説明が特にトピックス的でためになりました。
二人の先生方には本当にありがとうございました。
明日からの診療に早速役立てようと思いました。