こんにちは、予防歯科とインプラント・ホワイトニング・審美歯科で大切な歯を守る愛媛県松山市余戸伊藤歯科医院、院長伊藤泰司です。
先週の日曜日は穏やかな日でした。こんな天気のいい日に限って勉強会はあるものです。
朝から、歯科医師会館で医療安全に関する研修会がありました。
講師は私の母校である広島大学歯科麻酔学教授入舩正浩先生です。
講演テーマは『歯科診療所における医療安全管理の基本的な考え方、高齢者や有病者および緊急事態への対処法について』です。
高齢化社会の到来や、生活習慣病などの慢性疾患の増加により、高齢者や有病者が歯科受診されるケースが増えています。
歯科診療中に緊急事態に遭遇しても慌てることなく適切に対処できるようにすることが今回の講演の目的です。
そのためには、高齢者の心身の特性を知り、緊急事態への初期対応を的確に行く必要があります。
毎年、緊急時の初期対応の遅れから全国的には数名の患者が歯科治療時に死亡しているという報告があります。
主な原因は急性心不全と脳卒中が最も多くアナフィラキシーと気道閉塞による窒息と続いています。
特にアナフィラキシーについては統計上医療機関では1万人に1.54人の割合で死亡していると報告されています。
その発現率は年々増加傾向にあり50%は薬物初回投与(麻酔薬、抗生物質、造影剤など)により起きています。
アナフィラキシーは、突然の発症と生命を脅かす気道、呼吸、循環症状の急速な進展とそれに伴う意識障害や随伴する皮膚や粘膜の変化によって特徴づけられます。
その処置としてはアドレナリン0.3mgを筋注し反応を見ながら5分毎に同量を追加することが大切です。できればエピクイックを使用するように推奨されていました。
また生命の危機にある『超緊急時』では一次救命処置の手順を踏み、『緊急時』では、脈拍・呼吸・血圧・体温いわゆるバイタルサインをチェックしながら器械によるモニタリングを行うことが重要です。
モニターとしては自動血圧計、パルスオキシメーター、心電図が揃っていることが望ましいとされています。
当院でも本日習得した知識を更に深め 万一の緊急時には適切に対応していこうと思います。