歯のこと

女性ホルモンと口腔内~妊娠期~

こんにちは、広報・受付担当トガワです。

前回は性差医療という言葉をご紹介しました。

口腔内においても男性と女性で大きな変化の違いがあり、女性ホルモンが口腔内に様々な影響を与えるといわれています。

妊娠により女性ホルモンの濃度が上昇すると、口腔内細菌叢に変化が起こり、歯周病原細菌は妊娠初期と比べて12週ごろから5倍に増加します。

この菌の増加と、女性ホルモンの濃度の上昇に相関がみられるため、菌が歯肉溝に滲出してきた女性ホルモンを栄養として利用しているといわれています。

また、免疫応答の抑制が起こるので、衛生状態が悪くなり歯肉炎が発症しやすくなります。

歯周病が早産や低体重児出産のリスクを高める原因となるのは、口腔内に常在している歯周病菌が、早期分娩者の羊水内から分離されるため、血液を介して侵入して、早産に関係しているといわれています。

早産は、細菌性膣症などの細菌の炎症により絨毛羊膜炎や子宮頸管炎に発展し、前期破水や子宮収縮が起こりやすくなるのが原因の1つといわれています。

とくに細菌感染である歯周病に罹患していると、早産や低体重児出産のリスクが7.5倍も高まるという研究報告があります。

細菌感染に対して免疫応答が開始されると、炎症性サイトカインなどが生産されます。

そして子宮の収縮にかかわる生理活性物質が発生し、頸管熟化作用により早産が引き起こされます。

炎症性歯科疾患が原因と考えられる切迫早産の報告もあったそうです。

妊娠中はつわりにより、十分なブラッシングが困難なこともあります。

体調が良いときに歯医者に通って専門的なケアを受けるようにしましょう。

ブラシのヘッドがコンパクトで、毛先が軟らかい歯ブラシや、ワンタフトといったブラシの毛束が1つにまとまった部分用の歯ブラシを使って、できる範囲でケアをするようにしてください。

松山市では妊婦歯科健診を実施しているので、安定期には歯科を受診するようにしてくださいね!

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