こんにちは、インプラントと予防歯科・審美歯科・ホワイトニングで大切な歯を守る愛媛県松山市余戸伊藤歯科医院、院長伊藤泰司です。
前回、がん薬物療法によって口腔トラブルが発症するというお話をしました。
そんな口腔トラブルの代表的なものとなっている口腔粘膜炎のお話をしていきます。
薬物療法に伴う口腔粘膜炎は、口腔粘膜で柔らかく、そして動く部分である可動粘膜に発症します。
可動粘膜は、たとえば舌腹、舌側縁、頬粘膜、軟口蓋などがあります。
可動性のない歯肉などの角化粘膜には、薬物療法に伴う口腔粘膜炎は発症しません。
口腔粘膜炎には症状によりグレードがつけられています。
グレード1では粘膜へわずかな紅斑で、摂食に影響はありません。
グレード2では斑状潰瘍や偽膜ができますが、摂食、嚥下は可能です。
グレード3になると、潰瘍が癒合し、十分な栄養や水分の経口摂取ができなくなります。
さらにグレード4では、組織の壊死や顕著な自然出血があり、生命を脅かす症状となります。
口腔粘膜炎の発症を予防する方法は確立していませんが、対症療法によるケアを行います。
では次回はセルフケアについてお話していきますね。