歯のこと

口腔機能低下症③

こんにちは、広報・受付担当トガワです。

今日は『4.舌口唇運動機能低下』についてご紹介していきます。

舌口唇運動機能低下は、全身疾患や加齢変化によって、脳・神経の機能低下や口腔周囲筋の機能低下を原因として、舌や口唇の運動速度や巧緻性が低下することをいいます。

会話が聞き取りにくい、食事に時間がかかる、嚥下後に口の中に食べ物が残るなどがあると、舌口唇運動機能低下が疑われます。

舌口唇運動機能は、「パ」「タ」「カ」の音節をそれぞれ単独で繰り返して発音して、5秒間での合計発音数を計測して、1秒あたりのそれぞれの音節の発音回数を算出します。

「パ」「タ」「カ」のいずれかの音節で、1秒あたりの回数が6回未満の場合を、舌口唇運動能が低下した状態とします。

「パ」「タ」「カ」の発音の意味は、「パ」は口唇の運動、「タ」は舌前方の運動、「カ」は舌後方の運動を評価します。

高齢者に多いとされる脳血管障害、パーキンソン病、認知症など、脳機能が低下する全身疾患があると、舌と口唇を構成する筋が正常であっても、運動機能を中枢性に低下させる可能性があります。

高齢者を対象とした舌口唇運動能の評価の平均値は、すべての音節で5~7回の値が多いそうですが、全身疾患により口腔機能障害がある可能性が高い高齢者では、4~5回に低下することがわかっているそうです。

また、年齢が上がったり虚弱が進んだりすると値が減少するという報告もあったそうです。

口腔機能低下症は、多くの項目を包括的に評価して、口腔機能障害に陥る前の状態を見出して、機能回復のアプローチを行おうというものです。

その概念に従って、舌口唇運動機能低下を積極的に発見するために、複雑な基準ではなく、「パ」「タ」「カ」の音節で1秒あたりの回数を6回未満と定義したそうです。

しかし、実際には入れ歯などの口腔内の状態や、全身状態や精神機能、慣れ、もともとの構音機能などの個人差が存在するので、まずは舌や口唇の運度をを視診して十分に評価してから、「パ」「タ」「カ」の評価を始めることも重要となっています。

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