こんにちは、予防歯科とインプラント・審美歯科で大切な歯を守る愛媛県松山市余戸伊藤歯科の院長、伊藤泰司です。
埋伏歯の抜歯は当院では当たり前のように毎日行なう診療行為ですが、最近は特に前回のブログに続きシビアな症例が目に付きます。
つい1週間ほど前にとある歯科医院で左下智歯(8番)を抜歯途中で止められた患者様が来院されました。
その先生、水平埋伏智歯の歯冠を分割したまでは良かったのですが、そのあと骨と歯根とが癒着しているのでこれ以上は抜歯するのは危険ですということで抜歯を中断されたそうです。
その後、5年間放置し分割した智歯と手前の第二大臼歯(7番)の間によく食べ物が挟まり食事が苦痛だったそうですが、やがて歯肉が盛り上がり挟かリにくくはなってきたそうです。
やはり完全に粘膜は閉じませんからいつも物が挟まって気になってしょうがないので、何とかして欲しいと言う相談でした。
デンタル写真で見ると、5年間の歳月を経て分割された智歯は見事第二大臼歯(7番)の歯根部に接していました。
第二大臼歯と智歯との間に食片圧入による同部の炎症、骨欠損、深い歯周ポケットが形成されているため、やはり抜歯が適当だと判断しました。
またしてもピエゾサージェリーの出動です。残された歯冠の周りを丁寧に沿わすように当てて開削していきます。
一部歯冠のアンダーカット部をピエゾサージェリーで除去していきます。歯根の一部を露出させて、歯根に沿ってピエゾサージェリーで開削です。そこまですると最後はエレベーターで抜歯が可能となります。
5年前にその先生もピエサージェリーゾをもたれていたらきっと容易に抜歯できたと思うと、残念でなりません。
ともあれ、この患者様「明日は結構腫れてお口も開きづらくなりますよ」と言っても、5年間のトラウマ(?)が解消されたことのほうがよほど嬉しかったようで、にこやかに帰っていかれたことはいうまでもありません。
当日の夜お電話にて様態確認をしたところ出血も見られず、お口も開けられて食事も出来ましたとのことです。
患者様に喜んでいただいてこちらまで気持ちの良い一日でした。
翌日洗浄にお見えになられた時に、痛みもほとんど出なく痛み止めは飲まなかったそうです。腫れも見られず、お口も開いて清清しい様子でした。
恐るべしピエゾサージェリーの威力なり?!