こんにちは、伊藤歯科医院衛生士フクオカです。
「舌に白いものがついている」「舌がヒリヒリする」「口の中がいつもと違う感じがする」――このような症状がある場合、口腔カンジダ症が原因の可能性があります。
口腔カンジダ症は、カンジダ菌という真菌(カビの一種)が口腔内で増殖することで起こります。カンジダ菌は健康な人の口の中にも存在する常在菌ですが、唾液の減少や免疫力の低下、抗菌薬の長期使用などによって菌のバランスが崩れると、症状を引き起こすことがあります。
口腔カンジダ症とは?
口腔カンジダ症は、主に「カンジダ・アルビカンス」という真菌によって起こる感染症です。
カンジダ菌はもともと口腔内に存在しているため、「カンジダ菌がいる=病気」というわけではありません。
通常は他の細菌などとバランスを保っていますが、口腔内の環境が変化するとカンジダ菌が増殖し、病原性を示すことがあります。
カンジダ菌による舌の主な症状
① 舌に白い苔のようなものが付着する
代表的な症状の一つが、舌や頬の粘膜などに白い苔のようなものが付着することです。
急性の偽膜性カンジダ症では、乳白色や灰白色の白苔がみられます。
この白苔は、ガーゼなどで軽くぬぐうと剥がれることがあります。剥がれた部分は赤くなったり、粘膜が傷ついたように見えたりするのが特徴です。
ただし、舌が白いからといって必ずカンジダ症とは限りません。
舌苔、白板症など、見た目が似ている病変もあるため、自己判断で強くこすり続けるのは避けましょう。
② 舌が赤くなる
カンジダ症では、白い苔が目立つタイプだけでなく、舌が赤くなり、舌乳頭が萎縮するタイプもあります。
特に舌の表面がツルツルしたように見えたり、赤みが目立ったりすることがあります。
このタイプでは、白い付着物が目立たないため、カンジダ症だと気づきにくいこともあります。
③ 舌がヒリヒリ・ピリピリする
舌に「ヒリヒリする」「ピリピリする」「焼けるような感じがする」といった違和感が出ることがあります。
特に赤くなったり舌乳頭が萎縮したりするタイプでは、痛みが強くなることがあります。口腔カンジダ症では、口腔粘膜の痛みや味覚障害がみられる場合もあります。
④ 味覚に違和感が出る
カンジダ症では、味が分かりにくい、いつもと味が違うなどの味覚異常を伴うことがあります。
「舌の見た目だけの問題」と考えず、味覚の変化や痛みなどが一緒にないか確認することも大切です。
なぜカンジダ菌が増えるの?
カンジダ菌が増殖する背景には、さまざまな要因があります。
代表的なものとして、
- 唾液の分泌量が減っている
- 口腔内が乾燥している
- 長期間、抗菌薬を使用している
- ステロイド薬を使用している
- 糖尿病などの全身疾患がある
- 免疫力が低下している
- 義歯を使用している
- 口腔内の清掃状態が悪い
などが挙げられます。
白いものはこすると取れる
カンジダ症の白苔は、ぬぐうことで剥がれる場合があります。
一方で、こすっても取れない白斑もあります。
ただし、「取れる・取れない」だけでカンジダ症を確定することはできません。
カンジダ症と舌苔は違う!
ここは患者さんにもぜひ知っておいてほしいポイントです。
舌に白いものが付着していると、「カンジダでは?」と心配になる方もいますが、舌苔があるだけで口腔カンジダ症とは限りません。
食べかす、細菌、剥がれた粘膜などが舌表面に付着してできる舌苔でも、舌が白く見えることがあります。
一方、カンジダ症では、白苔だけでなく、赤み、びらん、ヒリヒリした痛み、味覚異常などを伴うことがあります。
そのため、見た目だけで判断せず、症状や口腔内の状態を総合的に確認することが大切です。
カンジダ症が疑われる場合の治療
口腔カンジダ症の治療では、口腔内を清潔に保つことに加えて、必要に応じて抗真菌薬が使用されます。
症状によって、うがい薬や塗り薬、場合によっては内服薬などが選択されます。
また、カンジダ菌が増殖した原因を考えることも重要です。
例えば口腔乾燥が強い場合には、乾燥への対策も必要になります。
カンジダ菌による口腔カンジダ症では、舌に白い苔が付着する、舌が赤くなる、舌がヒリヒリする、味覚に違和感が出るなど、さまざまな症状がみられます。
一見すると単なる舌苔に見えることもありますが、白苔をぬぐった後の粘膜の状態や、痛み・乾燥などの症状を合わせて確認することが大切です。
また、カンジダ菌は健康な人の口腔内にも存在するため、「菌を完全になくす」というより、なぜ増殖したのかを考えることが重要です。
