こんにちは 歯科衛生士のイシカワです。
歯石がつきやすい人には、いくつか共通する特徴があります。
まず大きく関わるのは、唾液の性質です。
唾液にはカルシウムやリンといったミネラルが含まれていますが、これらが多い人は、歯に残った歯垢が短い時間で固まりやすく、歯石ができやすくなります。また、唾液のpHがややアルカリ性に傾いている場合も、歯垢が石灰化しやすい環境が整うため、自然と歯石が付きやすい体質といえます。
一方で、唾液の量が少ない人も注意が必要です。唾液には自浄作用があり、汚れを流し、お口の中を清潔に保つ働きがあります。ストレスや加齢、薬の影響などで唾液が減ると、この自浄作用が低下し、歯垢が残りやすくなるため、結果として歯石がつきやすくなります。
次に、歯みがき習慣も大きな要因です。
歯石は歯垢が放置されることで作られるため、磨き残しが多い人ほど歯石が増えます。歯ブラシだけで磨いている人や、フロスや歯間ブラシを使用しない人は、歯と歯の間に汚れが残りやすく、そこから歯石が形成されます。特に、夜の歯みがきが短かったり、雑になってしまう人は、寝ている間に細菌が増えるため、歯石ができるスピードが早まります。
口呼吸の癖がある人も歯石がつきやすい傾向があります。
口で呼吸すると口の中が乾燥し、唾液の働きが弱まります。特に就寝中に口を開けて眠る人は、乾燥が長時間続くため、歯垢の付着と硬化が進みやすくなります。
歯並びも影響します。
歯が重なっていたり、凹凸が多かったりすると、歯ブラシの毛先が届きにくく、同じ時間磨いていても汚れが残りやすくなります。そのため、歯並びが複雑な人は歯石がつきやすいと感じることが多いです。
また、食生活も重要です。
甘いものや粘り気のある食べ物は歯に汚れが残りやすく、間食が多い人も歯垢が蓄積しやすくなります。さらに、水をあまり飲まない人は口が乾燥し、歯垢の除去が妨げられます。
このように、歯石のつきやすさは、唾液の質と量、磨き方、呼吸のしかた、歯並び、食生活など、さまざまな要素が組み合わさって決まります。 しかし、歯石の原因の多くは日々の習慣で改善が可能です。とくに、フロスの使用や就寝前の丁寧な歯みがき、十分な水分補給、鼻呼吸を意識することなどは、誰でも今日から取り入れられる対策です。さらに、定期的に歯科でクリーニングを受けることで、歯石が溜まりすぎることを防ぎ、口の中を清潔に保つことができます
