みなさん、こんにちは。伊藤歯科医院スタッフのカワニシです。
今日は「CGFを使った治療法」についてのお話です。
当院で年に3回行われている、東京の三井記念病院の歯科・口腔外科の部長、津山先生によるインプラント手術では、必ずと言っていいほど「CGF」が使われています。
人の体は通常、ケガなどで血管が傷つき出血すると、血液中の血小板が集まって血管の傷を埋めるために、血液を固める成分(凝固因子)が放出され、「フィブリン」という物質が作られます。
CGF(Concentrated Growth Factors:凝集成長因子)とは、専用の遠心分離器で血液を遠心分離して生成した「フィブリン」と傷の治癒や組織の再生に有効な血小板や成長因子を濃縮したゲル状の塊です。
インプラント手術では、骨が足りない部分にCGFを填入したり、膜状にして骨を覆って骨の再生・治癒を促進したりするのに使用します。
CGFは添加物を入れずに、患者様自身の血液のみで生成できるので、従来の骨移植で懸念されていたアレルギーや感染のリスクが軽減し、より安全に、患者の負担が少ない治療と言えます。
CGFを使った治療の流れとしては、まず患者さん自身の血液を20mlほど採血します。
一般的な血液検査の採血方法と同じです。
次に遠心分離器にかけます。
遠心分離器の回転数を精密にコントロールして遠心分離することで、血を固めようとする血液の成分(凝固因子)が刺激されて、ご自身の血液のみから作られる完全自己血液由来のフィブリンゲルが作られます。
所要時間は15分ほどです。
歯科の分野では、歯周外科治療やインプラント手術の際に、痛みや腫れの軽減と治癒を促進や、造骨の目的で、「フィブリンゲル」を平たく潰してCGFメンブレン(膜)として治療に使用したりしています。
CGFを使った治療法により、骨密度が低い人や顎の骨が薄い方など、インプラント手術の可能な範囲が広がり、その後の傷の治癒や骨組織の再生の促進が期待でき、治療期間も短縮できるようになりました。
そしてなんといっても患者様にとって身体の負担が軽く、感染のリスクも低い治療法と言えます。
今後さらに症例が増え、活用される分野も増えていくことが期待されます。
しかし、現在ではCGF療法は日本では保険診療の対象外のため保険外診療の適応となります。
また取り扱いのない医院もありますので、事前にご確認ください。
当院のブログでも、度々登場していますので、気になった方はぜひご覧くださいね。
医療は日々、より簡単に、より安全に進化しています。