メディアにより「歯磨きの後にうがいをしない方がいい」という情報が発信されてから、患者さんからもたくさんの質問をいただくようになりました。
やっぱりちゃんと口を漱がないと気持ちが悪いよね…
と言われる方も多くいらっしゃいます。
そこでオススメなのがダブルブラッシングです。
簡単にいうと1度に2回歯磨きをします。
ブラッシングにより除去した汚れをしっかり洗い流したい方や、むし歯のリスクが高い方は、1回目はプラーク除去を目的に、2回目はフッ化物応用を目的としたダブルブラッシング法が有効です。
1回目のブラッシングでは、清掃剤(研磨剤)が配合されたペーストタイプの歯磨き剤(フッ素配合が望ましい)を使用して、1回洗口します。
2回目に使用する歯磨き剤は、清掃剤や発泡剤といった基本成分は必要としないため、配合されているフッ化物が口腔内に広がりやすいフォームタイプやジェルタイプの歯磨き剤が適しています。
2回目のブラッシングはフッ化物をお口の中全体に広げることが目的なので、ブラッシングの後は唾液と一緒にお口の中にたまったものを吐き出すのみで洗口をしないようにしましょう。
さて、歯と歯茎の境目付近である歯の根元にできるむし歯があります。
このむし歯の発病は成人期以降で、日本人の有病者率は30代から急激に増加して50代でピークに達します。
そして60歳以降は残された歯の減少とともに低下していきます。
今までフッ化物配合歯磨き剤の応用は、乳幼児期と学齢期のお子さんに対するむし歯予防がメインで、成人のむし歯に対する予防効果の情報は皆無だったそうです。
しかし根元のむし歯に対して、1,100ppmのフッ化物配合歯磨き剤を使用することで、高い予防効果があることがわかってきました。
つまりフッ化物配合歯磨き剤の使用は、乳幼児期から高齢期まで生涯を通して必要だといえます。
高濃度フッ化物配合歯磨き剤の効果的な使い方をマスターして、日々のブラッシングでむし歯予防をしましょう!