こんにちは、広報・受付担当トガワです。
嚥下機能を評価する方法として、反復嚥下テストというものがあります。
反復嚥下テストとは、30秒間に唾を飲み込む空嚥下を可能な限り行い、それを最大1分間観察します。
正常な嚥下回数は、30秒間で3回以上とされています。
平均年齢が80歳の老人ホームで48名の嚥下機能を評価したグラフがあります。
そこでは30秒間で嚥下回数が1回だった割合が29.8%、2回は51.1%、3回以上が19.1%でした。
つまり嚥下回数が3回以上の正常な方は約2割という結果となったそうです。
そこで、嚥下回数が2回以下の方を対象に化粧療法を実施して、3ヶ月後に同様の嚥下機能を評価を行うと、8割以上の方が嚥下回数が1回以上増加したそうです。
化粧療法開始前は嚥下回数が1回の方は9人だったところ、3ヶ月後には2人にまで減少しました。
また、嚥下反射にかかわる神経伝達物質である、唾液中サブスタンスP濃度の上昇が確認されています。
嚥下中枢は、末梢感覚神経(三叉神経、舌咽神経、迷走神経)や大脳と連携しています。
室温の化粧水を塗るスキンケアは、頬の末梢感覚神経(三叉神経)への温度刺激となります。
また近年では、メイキャップによる大脳の反応があきらかになりつつあるそうです。
まだはっきりとされてはいませんが、化粧行為によって、末梢感覚神経や大脳が刺激されて、嚥下中枢が働きだした結果、嚥下機能が向上したと考えられています。
さて、話は少し変わって食欲は人間に最後まで残る欲求のひとつといわれています。
実際に高齢者施設でも食事を楽しみにしている方も多いそうです。
そんなとき、口腔機能が維持・回復できていないと、自分で食べることができず、楽しみも半減してしまいます。
今まで化粧療法やその効果についてご紹介してきましたが、化粧療法を実施すると「食べる」ことにも変化があらわれてきたそうです。
たとえば、高齢者施設で化粧療法を実施すると、食事動作の自立度が向上する事例が多く報告されています。
では次回はこのお話の続きからしてきます。