こんにちは、広報・受付担当トガワです。
健康のため、ダイエットのため… 「脂質」は控えるべきだとみなさんは思っていませんか?
脂質は三大栄養素の一つで、生命活動において重要な役割を果たしています。
生物の基本的な構造である「細胞膜」は、「脂質二重層」と呼ばれるリン酸と脂質(脂肪酸)が結合したものです。
細胞膜は生物の「内と外」を分け、そして生命維持に必要な物質を取り込んだり、不要なものを捨てたりする大事な役割をもっています。
そんな細胞膜ですが、脂質の種類によって性質が変化するため、アンチエイジングに老化にと、どちらにも繋がっていきます。
たとえば中性脂肪は、ダイエットに敵である皮下脂肪やメタボリックシンドロームの元凶となる内臓脂肪の正体です。
これはその昔、狩猟・採取時代に飢餓に備えて体内にエネルギー源を蓄える仕組みが作られ、その最も効率のよいかたちが中性脂肪だったそうです。
脂質の主成分である脂肪酸には、多くの種類や分類があります。
脂肪酸の構造は、水素のついた炭素が連鎖状に繋がっている状態で、その鎖がまっすぐなものを飽和脂肪酸、そして折れ曲がっている(二重結合を含む)ものを不飽和脂肪酸と呼びます。
飽和脂肪酸の構造は安定しているので、これが構成成分として多くなると、バターやココナッツオイルなどのように常温で固形となっています。
脂肪酸の二重結合の数が増えるほど他の分子と反応しやすくなるため、生体内で多様な働きをするようになります。
しかしその一方で、酸化されやすい不安定な性質でもあります。
菜種油やえごま油など、常温で液状の油にはこれが多く含まれています。
さらに二重結合の位置によってω(オメガ)3、ω6などに分類されます。
これらの不飽和脂肪酸から体内で代謝物が生じますが、ω3からは抗炎症性の、ω6からは炎症を助長する物質が生成されるそうです。
不飽和脂肪酸は炎症の進展・消退に深くかかわっているため、ω3とω6の摂取比率が動脈硬化やアレルギー反応などの進行を左右することになります。
今回のお話は歯科とは関係なさそうですが、この不飽和脂肪酸が、歯の根っこの慢性炎症を寛解させる手段の選択肢として検討されているそうです。