こんにちは、インプラントと予防歯科・審美歯科・ホワイトニングで大切な歯を守る愛媛県松山市余戸伊藤歯科医院、院長伊藤泰司です。
口腔乾燥症が発症すると、自浄作用が低下します。
口腔乾燥症は、口腔粘膜炎の潰瘍形成期にリスクが増大します。
とくに化学放射線療法は、強い口腔粘膜炎で感染症に注意が必要です。
口腔粘膜炎には、以前ご紹介した「口腔内清潔保持」「口腔内保湿」「疼痛コントロール」を柱とした対症療法を行います。
味覚を感じる組織(味蕾)は放射線感受性が強く、そのため放射線療法に伴って味覚の変化、消失などが発現しやすくなります。
唾液量減少による口腔乾燥症も、二次的な味蕾異常の原因と考えられています。
味覚は、照射後3~4ヶ月で回復します。
咀嚼により食べ物を小さくして混和し、飲み込みやすい大きさの固まりにする食塊形成が、唾液量の減少により困難となり、口腔から咽頭への食塊移送が障害されるようになります。
咽頭炎が強くなると、粘膜腫脹や神経麻痺のために嚥下障害を生じやすくなります。
化学放射線療法では嚥下機能障害が遷延するので、食事開始時は誤嚥による肺炎に注意が必要です。
放射線治療終了後、経口摂取の再開は嚥下機能の評価を行ってから開始となります。
では次回も口腔乾燥症に付随する症状、トラブルのお話をしていきます。