こんにちは、審美歯科とインプラント・ホワイトニング・予防歯科で大切な歯を守る愛媛県松山市余戸伊藤歯科医院、院長伊藤泰司です。
がんの放射線治療による放射線照射で、唾液腺組織の腺維化、脂肪変性、腺房萎縮などによって、口腔乾燥症が発症します。
口腔乾燥症の症状は、唾液腺機能障害の進行により唾液分泌量が約1/10に減少し、口腔乾燥症状が自覚する状態になります。
会話や嚥下困難、嚥下時痛などを伴うため、患者さんのQOLは著しく低下します。
耳下腺が放射線照射野に含まれると、口腔乾燥症状は必発です。
耳下腺は1日あたりの唾液量の約60%を分泌します。
耳下腺は、粘稠な唾液を分泌する顎下腺や舌下腺よりも放射線感受性が強いので、被ばくすると口腔乾燥を起こします。
最近では、新しい放射線治療方法がでてきました。
強度変調放射線療法と呼ばれるもので、専用のコンピュータにより複数のビームを組み合わせて放射線に強弱をつけ、腫瘍の形状に適した照射を行う方法です。
腫瘍に放射線を集中させ、周囲の正常組織への照射を減らすことができます。
この方法で、耳下腺の被ばく線量を減らすと、従来の照射方法と比べて有意に唾液分泌障害が減少します。
では次回は口腔乾燥症に付随する症状とトラブルのお話をしていきます。