こんにちは、インプラントと予防歯科・審美歯科・ホワイトニングで大切な歯を守る愛媛県松山市余戸伊藤歯科医院、広報・受付担当カワゾエです。
今回は前回に引き続き、「プラーク・顕微鏡検査」についてお話したいと思います。
歯周病が全身的な病気にどのように深く関わってくるのでしょうか??
詳しくお話をしていきたいと思います。
みなさん、「歯周病」はお口の中だけの病気と思われてはいませんか??
実は最近では、「菌」の物質、あるいは器官に直接到達した一部の細菌が身体の病気にも関わっていることが判明しました。
この本を一度は院長先生のお話を聞かれた患者さんは見られたことがあると思います。
当院では2004年からこの本を使ってお口の中の『細菌』のお話をしてきました。
なので、もう10年近くこの本を使ってきました。かなり年期が感じられますね。
糖尿病、心臓・血管系疾患、肺炎、早産・低体重出産などの全身的な病気の進行に影響を与えるという事です。
では、各項目ごとに詳しく説明をしていきますね。
まずは、『肺炎』についてです。
お口から気管を通って肺に入り込んだ細菌が増殖し、肺炎(誤性肺炎)を起こすことがあります。
これはお年寄りの方にかかる危険性が高くなるといわれています。
なぜかというと私たちの体は、食べ物を飲み込むときに気管にフタ(喉頭蓋)をして気管や肺へ異物が入るのを防ぐ仕組みになっています。
しかし、どうしても年齢と共にこの反射能力は低下してしまいます。
そこで気付かないうちに肺に流れ込むことがあります。
加えて、気管支のはたらきや体を守る力も弱くなるため、肺炎にかかる危険性が高まるのではないかと言われています。
プラークコントロールが誤性肺炎の防止に有効だといえますね。
次に『糖尿病』です。
お口の中の「菌」が増えると、「菌」の成分が血液中に流れこみます。
その成分が細胞を刺激していろいろな活性物質を作りだします。
その中のひとつ、TNFa という物質が糖尿病にも深く関わっていると考えられています。
TNFa はインシュリンが血糖中の糖の濃度をコントロールする働きを阻害する働きをするのです。
すると血糖値が高くなり、毛細血管の血流が悪化します。
結果、歯周病菌を退治できないという悪循環がおこります。
次は『早産・低体重児への関わり』についてです。
最近の研究で、低体重児出産をしたお母さんのお口の中では、歯周ポケット内に歯周病原菌が多いことが示されています。
血液中に流れ込んだ「菌」の成分(TNFaやプロスタグランディン)がおこすものだと考えられています。
早産も同じく歯周病により成分が増加し、引き起こされるのではないかといわれています。
「歯周病」によって体に様々な影響があることがお分かりいただけたのではないでしょうか?
一見関係ないように思いがちですが、深く関わっているですね。
次回は引き続き「心臓・血管系疾患」との関係を詳しくお話しますね。