こんにちは、技工士のナカムラです。
蝉の大合唱、夏本番だというのに暦の上では立秋、何とも不思議です。
さて、今回ご紹介するのは今年亡くなられた渡辺淳一さんの本です。
私は若い頃、渡辺淳一さんの「光と影」を読んでから彼の世界にはまってしまいました。
彼の尊敬する野口英世を描いた「遠き落日」、彼の自伝的小説「何処へ」、そして「花埋み」など代表作を含め殆ど読みました。
しばらく彼の本から遠のいていましたが亡くなられたことで久々に「麻酔」という本を手にしました。
そしてこの本はやはり彼らしい大きな問題点をなげかけました。
一人の医師の過失や責任の問題ではなく、科学や技術がどれほどすすんでもそれを扱うのは人間であり、人間が扱う以上思いもしない事故がおきる可能性がないとは言い切れない。
「慣れすぎていたのです」という医師の言葉。
なまじっか良く知っていて、自信があったからこそミスをしでかした。
技術のミスや機器の欠陥でなく、わずかな不注意という人災で健康だった一人の人間の命が失われた。
何とも切なくて悲しすぎる事件です。
是非、読んでみて下さい。