こんにちは、技工士のナカムラです。
歯科治療では一般に、疾病と障害を分けて考えられていない傾向があります。
たとえば、う蝕治療における処置は、痛みや歯髄炎症を抑える疾病に対する処置ですが、そこに取り残された歯の実質欠損を修復することは障害に対する処置になります。
そこで、医療モデルを引用して、う蝕治療を行う際、疾病と障害に分けて考えると理解しやすいとされています。
すなわち、う蝕原因菌がう窩に存在し、酸を発生して脱灰が進行している状態は疾病であり、感染歯質を除去し無菌化され、そこに取り残された歯の実質欠損は障害になり、障害に対して行う修復処置は治療とは分けて考えます。
歯の欠損も、疾病ではなく、事故や疾患によって四肢を失ったのと同様、障害として理解されます。
したがって、私たちが欠損に対して行っているブリッジやパーシャルデンチャ-やインプラントは、障害に対する修復処置になります。
それならば、欠損修復は生活(QOL)モデルで取り扱い、あくまでも患者さんの生活の質の向上を考えなければなりません。
ただし、処置の選択は患者さんにありますが、欠損修復に対して、修復処置の利点と欠点を踏まえたうえで検査、診断を行ない、その結果を提示してあげることが私たちの役目になります。