こんにちは、広報・受付担当トガワです。
「Evidence-based medicine(根拠に基づく医療)」という概念が1991年に提唱されました。
この概念は、歯学教育の場でも国家試験出題基準の中に「根拠に基づいた医療-むし歯予防法の評価、歯周病予防法の評価-」があり、歯科医師になるために学ぶべき必須項目となっているそうです。
「根拠に基づいた医療」の中で、根拠の質が高いむし歯予防法として「フッ化物応用」が挙げられています。
1945年にアメリカのグランドラピッズ市で、飲料水中に存在するフッ化物の量を適正な濃度に調整し、その飲料水を摂取することによってむし歯を予防する方法である水道水フロリデーションが実施されました。
それ以降、54ヶ国で約4億人以上が利用しています。
フッ化物配合歯磨き剤は、フッ化物応用の中で最も利用人口が多く、世界で15億人以上が利用しているそうです。
その他では、全身応用としてフッ化物錠剤、局所応用としてフッ化物歯面塗布、フッ化物洗口等が利用されており、特にフッ化物洗口は近年急速に普及しています。
フッ化物配合歯磨き剤は、1988年以降で急速に増加して、2010年には市場の90%を占めています。
フッ化物の効果を最大限にするためには、使用量・頻度や使用後のうがいの回数の制限などを知ることが重要となっています。
フッ化物の濃度は、1000ppm未満よりもそれ以上のほうが効果的であると報告されています。
実は日本の医薬品医療機器法のフッ化物濃度の基準は1000pmm以下ですが、フッ化物配合歯磨き剤に関する国際標準機構のフッ化物濃度の基準は1500mmp以下となっています。
日本では実施されていない水道水フロリデーションですが、アメリカでは約74%の国民が水道水フロリデーションの恩恵を受けているそうです。
アメリカでは国家レベルで水道水フロリデーションを促進していて、米国疾病予防管理センターが20世紀の十大口臭衛生偉業の一つに挙げています。
国の健康増進戦略でも、国民の健康促進と健康格差是正のために、2020年までに水道水フロリデーションを79.6%にすると明記されているそうです。
日本では水道水にフッ素を添加したり調整することに抵抗のある人もいるため実施に至っていませんが、歯を守るために普及してほしいですね。