こんにちは、審美歯科とインプラント・ホワイトニング・予防歯科で大切な歯を守る愛媛県松山市余戸伊藤歯科医院、院長伊藤泰司です。
今日はがん治療として行われる、放射線照射による口腔トラブルのお話をします。
放射線照射により、がん細胞を殺す一方で、周囲の正常細胞にもダメージを与えます。
ダメージで起こる症状は有害反応とよばれ、さまざまな症状が放射線の照射野に一致して現れます。
とくに頭頸部領域のがんで口腔内が照射野に含まれると、口腔トラブルの発症率は100%といわれています。
有害反応の発症は、被ばく線量に最も依存します。
そのため、口腔ケアにおいては口腔内の照射部位と照射量を確認することが必要です。
頭頸部領域の放射線治療による口腔トラブルは、治療後も遷延するため、患者さんのQOLに大きな影響を与えます。
発症時期は、
・急性期に限定されるもの
・急性期~慢性期にわたるもの
・晩発性のもの
に分けられます。
とくに、慢性・晩発性の口腔トラブル発症リスクが高いと考えられる患者さんには、治療終了後も口腔内評価と口腔ケアを医科と歯科が協力して継続する必要があります。