こんにちは技工士Kです。
梅雨入りして鬱陶しい季節となりましたね。
雨が好きな方も意外と多いのには驚きなのですが、バイク通勤、テニス野郎のKにとって雨は鬱陶しいことこの上ありません。
かと言って晴れたら晴れたで夏の日差しに体力奪われるし、年取ると天候に身体がついていかなくなりました。
困ったものです。
さて今回も前回同様、金属の詰め物が出来上がるまで順に書いていきたいと思います。
軽く前回までのおさらい。
模型に分離材を塗布した後、ワックスで喪失部分を作成後、金属の通り道をワックスに付与後、ワックスを引き抜き円錐台に立ててリングで蓋をした後、埋没材を流し込み固まったら電気炉中でワックスを焼却します。
ここまで前回お話ししました。
さて今回はいよいよ金属を鋳込む、鋳造という作業に入ります。
鋳造も色々な方法があり、扱う金属の種類によってそれぞれの方法が異なります。
一般に金属の融点が高くなると作業が複雑になり難易度も高くなります。
自費のケースにそういった金属を使う場合が多いです。
ここではごく一般的なパラジウム合金の鋳造を取り上げます。
熱源はガスです。
融点が高くなるとガスでは金属が溶けないので、ここが酸素などに代わります。
まあそれはおいといて、熱々に焼かれたリングを遠心鋳造機にセットします。
ばねの力で得られた遠心力で溶けた金属を鋳込むごく一般的な器械です。(我々の業界では)
圧がかからないと金属が隅々まで行き渡らず鋳造失敗となります。
失敗すると中に入っているもの全てが影響を受け、Kの残業確定のシビアな状況が待っています。
大切な作業なのです。
過去には鋳造機のバネが切れるという(それも2回!)技工士人生で1度あるかないかの(K調べ)想定外の案件もあり油断がなりません。
スペアのバネをセットして事なきを得ましたが。
他にも金属に置き換わる際の鋳造という作業は、色んなエラーが付き物で慣れていても不意にあったりします。
とにかく模型に鋳造された金属がはいるまではなかなか安心できません。
以下次号。