歯のこと

性差医療とは

こんにちは、広報・受付担当トガワです

世界における臨床研究のほとんどは、1990年代半ばまで男性のみを対象に行われていて、女性は小さい男性として得られた情報をそのまま適応されていたそうです。

しかしアメリカでウィメンズヘルスケア:「生涯を通じて女性の健康を実現しよう」という運動が広がり、女性を対象とする医学研究への考え方が変わったそうです。

これにより、男性と女性ではかかりやすい疾患が異なる可能性があることや、同じ疾患に対するリスクファクターや医薬品の効果に男女差があることがわかってきました。

性差医療とは、いままで検討されてこなかった性差を考慮して、的確な診断と治療を行っていこうという医療・医学の流れのことです。

ホルモンの働きといった生物学的因子だけではなく、社会的な地位やライフスタイルといった社会文化的因子を健康の重要な因子として捉えて研究し、その結果を診断や治療、予防へと反映させることを目的とした医療を性差医療といいます。

歯科の分野においてはまだまだ性差医療の概念は広がっていないそうです。

女性のホルモンステージやライフステージと日々の歯科診療では繋がりが感じられないことや、女性ホルモンの口腔への影響があまり解明されていないことがその理由として挙げられています。

そのため口腔性差に関する研究がなかなか進んでいないのが現状のようです。

周術期口腔機能管理などで、医科と歯科の連携は進んできていますが、女性外来と歯科の連携は行われていません。

これからの歯科は、歯科的要因が考えられない患者さんに対して、ホルモン異常からくるうつ症状や情緒不安定を考慮して女性外来への紹介も考えていかなければなりません。

また、妊産婦においては歯周病原細菌による出産への影響を理解していただくこと、妊婦歯科健診を積極的に受診してもらうことなど、歯科教育や口腔衛生指導の実施等を通じて安全な出産のために産婦人科とも連携を構築していくことが大切になっています。

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