みなさん、こんにちは。伊藤歯科医院です。
今日は右下の親知らずの抜歯のお話です。
今回の患者様は、右下の親知らずの辺りが食事をするときに痛みがあるため来院されました。
まずはお口の中を確認してみると、右下の親知らずを確認することはできません。
次にパノラマ写真を撮影してみると、右下の親知らずは歯ぐきの中で、手前の歯を押すようにほぼ真横に生えているのが確認できました。
さらに、下顎の親知らずは下歯槽神経に非常に近いところに生えている場合もあるため、CTも撮影し詳しい解析を行います。
親知らずが生えている位置が、神経に近い、あるいは神経に当たっている場合は、大きな病院に紹介する場合もあります。
親知らずの根っこは下歯槽神経から近い距離にありますが、抜歯は可能との診断でした。
今後、さらに痛みが出る可能性もあるため、右下親知らずの抜歯を行うことになりました。
脈拍や血圧、酸素飽和度を測り体調を確認し、抜歯の注意事項をお伝えして、さっそく抜歯開始です。
まずは親知らずは歯茎の下に隠れている状態なので、歯茎を切開していきます。
親知らずの周りの骨を最小限削っていき、抜いていくスペースを作ります。
そこから親知らずの頭を輪切りにするように切断して取り除き、最後に根っこの部分を慎重に抜いていきました。
傷口を縫合し抜歯終了です。
下顎の親知らずの抜歯の場合、歯根が下顎の神経に非常に近いケースでは、統計的にしびれた感じか6ヶ月ぐらい継続する症例が200例に1例ほどの割合で起こることがあります。
数日後に消毒に来院された際は、出血、腫れしびれの症状はないが、まだ少し痛みを感じるとのことで、痛み止めを追加でお渡ししました。
埋伏歯(歯が歯ぐきから出ておらず、顎の骨の中に埋まっている状態)の場合、下歯槽神経にも近く、歯茎も大きく切開するため、回復までに時間がかかる傾向にありますが、徐々に落ち着いてくるので心配はいりません。
右下親知らずの抜歯、お疲れ様でした。