こんにちは、広報・受付担当トガワです。
今日は、口腔機能低下症の最後の基準項目『7.嚥下機能低下』についてご紹介していきます。
嚥下低下は、加齢により摂食嚥下機能の低下が始まり、あきらかな障害とする前段階での機能不全を有する状態のことです。
嚥下機能低下は、質問紙に回答してもらい評価します。
これまで、摂食嚥下障害の原因疾患を有しない場合、疾病と認められす医療の対象になっていなかったそうです。
しかし高齢者では、軽い咽頭違和感やむせ症など、多くの症状が現れることがわかっていました。
そこで、この嚥下機能低下の概念と機能不全状態についての評価基準が提案されたそうです・
嚥下スクリーニング質問紙であるEAT-10は、これを開発するにあたり4つのステップがあったそうです。
まず嚥下障害を専門とするエキスパートの胃腸科専門医や耳鼻咽喉科医、そして言語聴覚士や栄養士たちが20の質問項目を作成して、次にこの20項目を使用して、健常者と構音または嚥下障害のある患者を対象に調査を行って、重複する項目を減らして10項目に絞り込みました。
そして、基準値を作るために100人の健常者を対象に調査を行い、最後に、46人の患者の治療前後を評価してこれを健常者のデータと比較検討して、EAT-10が作成されたそうです。
EAT-10は、10項目の質問で構成されていて、それぞれの問題を5段階で回答して、合計点数が3点以上になると嚥下障害の疑いがあると判断できます。
また、EAT-10で3点以上の場合、軽度問題以下の摂食嚥下障害を認める可能性が高いと言われており、嚥下障害の予備軍を検出できるそうです。
嚥下機能低下と評価された人の中には、嚥下障害患者も含まれるといわれています。
したがって、嚥下機能低下の評価がされた場合は、嚥下のスクリーニングテストを行い、さらに必要に応じて精密検査を実施する必要があります。
その結果で、摂食嚥下機能にあきらかな異常が認められた場合には、嚥下機能低下ではなく「摂食機能障害」と診断されるため、専門的介入が必要となります。