こんにちは、広報・受付担当トガワです。
今回も前回からの続きで口腔機能低下症の診断基準についてお話していきます。
7つある基準項目の2つをご紹介しましたが、今日は『3.咬合力低下』からお話していきます。
咬合力の低下は、天然歯あるいは入れ歯による噛む力が低下した状態をいいます。
咀嚼能力や、残存歯数、咬合支持とも関連がありますが、全身の筋力の低下にも影響を受ける部分となります。
咬合力が低いと、循環器系疾患やがんの予防に重要な野菜や果物、抗酸化ビタミンや食物繊維の摂取量が少なくなるという報告があるそうです。
残された歯の数も、このような栄養摂取と関係がありますが、それよりも咬合力のほうが関係がより強いとされているそうです。
咬合力が低いと、低体重だけでなく、肥満の人も多いという報告もあります。
また咬合力は、運動機能や転倒とも関連するといわれています。
咬合力の計測は、感圧シートと専用の分析装置を使った測定方法しかありませんが、残された歯の数を咬合力の代替とする考え方もあります。
(ただし根っこのみの歯やグラグラしていて抜けそうな歯は歯数に含まれません)
測定器を使って噛む力が200N未満だった場合、もしくは残された歯が19本未満の場合には咬合力低下とみなされます。
歯が少ないと、咬合力や咀嚼能力が低くなるという話はよく聞きます。
残っている歯が20本以上の人は、まったく歯がない人と比べるとオーラルフレイルに陥りにくいという報告があります。
また残っている自分の歯と認知機能の低下は関連しているという報告は多いそうです。
歯がない人や、残っている歯が少ない人は認知機能が低下するとがわかってきています。
以上から、健康な自分の歯が20本以上あり、噛む力が200N以上であれば、口腔機能低下症になりにくいといえます。
これは、よくいわれる8020運動の概念にも通じるものといえます。
では次回も4つめの項目、舌口唇運動機能低下からお話していきます。