こんにちは、予防歯科とインプラント・ホワイトニング・審美歯科で大切な歯を守る愛媛県松山市余戸伊藤歯科医院、院長伊藤泰司です。
今日は入れ歯のお話です。
年をとって歯を失うとどうしても避けて通れないのが、入れ歯です。最近はインプラントなるものが花盛りで当院でも選択される方が多くなりました。
しかし、失った歯の本数が多くなるとそれだけインプラントをするにも本数が多くなり経済的な負担も多くなります。
ましてや昨今の経済状況では高額な治療はなかなかお勧めできません。
やはり、今しばらくは入れ歯でとお考えの方も多くいらっしゃります。
本日ご登場の患者様は口コミで「当院の義歯は調子いいから・・・」と友人に勧められてこられた方です。勢い、こちらも力が入ってきます。
「今の入れ歯のご不満な点はどんなことでしょうか?」とお聞きしますと、でるわ、でるわ、前医の悪口から始まりこの義歯の調子の悪いところを堰を切ったように話してきます。
この義歯を入れたら 左の口角が下がったように見えるし、鼻の下に皺がよって老けて見える。
上の前歯はもう少し笑った時に見えるよう長くして欲しかったのに・・・。
下の入れ歯は食べたら食べかすが人工歯の上や、舌側によく付いて困るし、お茶を飲んだら浮き上がってきて往生します。
極めつけは上の入れ歯を入れたらゲーゲー嘔吐反射がするので入れていません。
ひとしきりお話をお聞きして、相手が落ち着いたところでその義歯を見せていただきます。
保険で作られた義歯で、見かけは大変よく出来ています。
少しお預かりして、今言われた不備な点を技工士に伝え解消すること1時間あまり。
お預かりした義歯を入れていただき、患者さんニンマリ。
「それじゃ、新しい義歯を 今作り変えた義歯を参考に作っていくことにします。」
というわけで後日出来たのがこちらです。
見かけは先程の前医の義歯とさほど変わらないのですが、実はよく見るとまるっきり違うのです。
それは企業秘密ということにして、ヒントをいえば、上の入れ歯なら後ろのクリが違います。
それから下の入れ歯でいえば、人工歯の大きさと配置、角度を変えています。
ピンクの床の大きさも粘膜とのタッチもよく引っ付くように変えています。
さりげないようですが、一つ一つに匠の技が隠されているわけです。
出来上がってから、2度ほど調整に来ていただき、患者様の満面の笑顔にお会いできて良かったと思います。
患者さんからも『ここに来てよかった。ご飯が美味しく食べられます』と喜びのお言葉を頂き励みになりました。
私としては、面目が保ててよかったという安堵感でホッとしています。