こんにちは、広報・受付担当トガワです。
前回、化粧療法を実施することで「食べる」ことに良い変化があったとご紹介しました。
今日も化粧療法の効果についてお話していきます。
入れ歯が合わなくて入れてなかったり、作ってなかったりした方が、化粧療法を行うことで入れ歯を作るようになるというケースがあったそうです。
この理由として考えられたのが、化粧品のなかでも最も象徴的なアイテムとして知られる口紅です。
入れ歯を入れていないと、唇がやせ細ってしまいすぼんだような形になりシワも多くなります。
そうなると、周りの人と同じように口紅メイクを楽しめなくなってしまいます。
女性としてキレイになりたい、口紅を楽しみたいという心理が、今まで敬遠していた入れ歯を作りたいという行動につながったと考えられています。
次に、介護老人保健施設では3ヶ月間化粧療法を行った結果、食事の際の姿勢が良くなったという事例があるそうです。
現場スタッフは、化粧療法プログラムの50分間、鏡を見ながら座位を保って化粧を行っていたことが食事姿勢に影響したと推察されたそうです。
このように化粧療法は、スキンケアやメイキャップを通じて、お顔の肌に対するケアを行っていきますが、心理効果や運動効果により、「食べる」に波及する効果も期待できると言われています。
また心理効果や上肢の身体機能や口腔機能への効果だけでなく、脳や認知機能への効果もあきらかになりつつあるそうです。
高齢期において、心の健康の維持や社会との繋がりが維持されているかどうかが、オーラルフレイルの根本的な対策といわれています。
化粧療法は「粧う」を通じて、気持ちを明るくしたり、外出意欲や交流意欲を高めたりすることで、社会と繋がりをもとうとするきっかけを作ってくれそうです。
今後高齢者に対する歯科医療が、化粧療法を用いて、お口のケアだけにとどまらず、全身や心理的なケア、そして社会性を維持するケアにまで活動の幅を広げていくことが期待されています。