こんにちは、広報・受付担当トガワです。
歯の病気の代表格である歯周病は、あらゆる分野の世界一を決めるギネスにも認定されるほど、人類史上もっとも感染者の多い感染症です。
意外に知られていないことなのですが、64歳以下の日本人の医療費の内訳で最も高いのが「歯科医療費」です。
なんとがんや高血圧、糖尿病といった病気の医療費をも超えているのです。
歯科疾患は、誰もが一度は経験するといっても過言ではありません。
歯科疾患のひとつであるむし歯は、学校保健統計でも最も多い疾患です。
新学期が始まってすぐに受けた健康診断の結果から、「歯医者さんに持っていってね」と先生から用紙を渡された学生さんも多いと思います。
むし歯や歯周病としった歯科疾患は、幼少期の健康状態が高齢期にまで影響します。
また、お口の健康状態が全身の健康状態に影響することも、歯科疾患の特徴です。
いつまでも健康に過ごすためには、子どもの頃から歯科疾患を予防することが大切なのです。
しかしながら、学校の教科書には歯を守るための常識が書かれていません。
その常識とは、「歯は複雑な形態をしているので、歯ブラシの毛先が届かない部位が存在すること。
そして大多数のむし歯はその部位(噛み合わせの溝や歯と歯の間)から発生しているということ」です。
これはアメリカの教科書では明記されていることだそうです。
世界中で実施された歯ブラシのむし歯予防に関する研究では、前歯のむし歯予防には歯ブラシは効果的ですが、奥歯の溝などブラシの毛先が届かな部位ではむし歯予防の効果はほとんど認められないというものでした。
子どものむし歯の約8割が奥歯から発生しているという報告があるので、これが歯科教育の場で見落とされることが多かったといえます。
では歯ブラシが届かない奥歯のむし歯はどうやって予防すればいいのでしょうか?
簡単な方法はフッ化物を用いることです。
フッ化物は奥歯の溝や歯と歯の間にも行き届きむし歯予防効果を発揮します。
フッ化物洗口を実施した小学校は、実施していない小学校と比べて前歯、奥歯ともに大きな予防効果を発揮したというデータが何年も前からあります。
歯医者さんでもフッ素を塗ることができ、また奥歯の溝を埋める予防処置もできます。
むし歯出来てから歯医者さんに通う、ではなくむし歯を予防するために通うようになればいいなと願っています。