こんにちは、広報・受付担当トガワです。
以前から「ライフコース疫学」という言葉を使っていますが、ここでこの意味をおさらいしたいと思います。
まず「ライフコース」と「ライフステージ」は別物です。
ライフコースは
人生の出来事(evens)
についての時期(timing)
移行期間(duration)
間隔(spacing)
および順序(order)
にみられる社会的パターンと定義されています。
疫学とは、人の健康に関わる因子を解明して、健康を阻害する因子を除去し、健康を確保するもので、人間集団における疾病頻度の分布とその規定要因についての学問と定義されています。
人生の流れの中で、疾患リスク因子関係を探索し、適切に予防に結び付けようとする動きの中で誕生してきたのが、ライフコース疫学だそうです。
たとえば中学生になると、容貌などにも意識が向き始め、歯列不正や不正咬合、口臭の問題などをきにしやすくなってきます。
しかしむし歯や歯肉炎などに対する健康問題の意識は薄くなる傾向があるそうです。
受験勉強や部活動などで時間がとられ、生活習慣が乱れることにより、口腔環境が悪化しやすくなります。
また、小学校と比較して学校でも教科の学習が重点的となり、健康教育や保健指導に対する取り組みが難しくなり、生徒への口腔の保健教育や指導の機会も減少してしまいます。
また現代はITの進化もあり、社会環境や生活様式の変化に伴い生徒の抱える問題は変化していると考えられます。
しかしこれに対し、健康診断などの実態は昔から変化はしていないため、様々な取り組みが行き詰っているといわれています。
これの打開策として、ライフコース疫学に基づくアプローチが重要と考えられています。
永久歯のむし歯の罹患状況は、中学生以降の発生が多数を占めているという報告があります。
部活や塾通いで歯医者に通院できず放置される傾向にあると考えられています。
歯周疾患対策においては、学齢期に認められる歯肉炎と、成人の歯周炎が密接に関連していることをライフコース疫学から学ぶことで早期の対策ができます。
成人期の歯周疾患リスクの蓄積の視点で取り組むことなどをライフコースの視点でとらえることでより理解が深まり予防への取り組みもより熱心になっていくのではないかと考えています。