みなさん、こんにちは。伊藤歯科医院カワニシです。
今日は、過去に当院で行ったインプラントオペの症例をご紹介します。
今回の患者様は、以前にも上顎のインプラントをされたました。
「いずれは下顎も植立したい」と希望されていましたが、入れていた大きな差し歯がとれてしまったため、その部位にインプラントを植立して被せ物を作りたいと希望されました。
そして今回、右下5番目、4番目、1番目、左下1番目、2番目の合計5本のインプラント植立が決まりました。
当日の様子は、まず診療室に入っていただき、簡単にお口の中の全体的なお掃除と麻酔、仮歯を外す処置、CGFのための採血を行います。
CGFとは、患者様自身の血液を専用の遠心分離器で血液を遠心分離して生成した「フィブリン」と傷の治癒や組織の再生に有効な血小板や成長因子を濃縮したゲル状の塊です。
インプラント手術では、骨が足りない部分にCGFを填入したり、膜状にして骨を覆うことで、骨密度が低い人や顎の骨が薄い方など、インプラント手術の可能な範囲が広がり、その後の傷の治癒や骨組織の再生の促進が期待でき、治療期間も短縮できるため、インプラントオペでは必ずと言っていいほど使用されます。
脈拍や血圧、酸素飽和度を測り体調を確認し、麻酔が効いている事が確認されるとすぐにオペ開始です。
まずは左下1番目の歯から、歯茎から骨の部分まで、穴開けパンチの要領で穴を開けていきます。
くりぬいた部分の歯肉を取り除き、次は骨に穴を開けていきます。
ドリルの先端を細い物から徐々に大きい物に変えながら、植立するインプラント体のネジの部分を除いた胴の部分の太さに合わせた大きさの穴を開けていきます。
開けた穴にCGFを入れ、専用道具を使ってネジを締めるように長さ2センチ程のインプラントを骨に埋め込んでいきます。
続けて奥の右下1番から奥に向かって5番目までの歯も同じ工程で順調に植立していきました。
今回、残存している歯の位置を抗考慮し、予定していた左下2番目から右下2番目の植立に変更されました。
このように、常に最善の方法を考えながら進めていくので、オペの途中で植立の部位が変更になることもあります。
しっかりとインプラント埋め込まれた後は、仮歯を入れ、動揺がないか、噛んだ時に当たらないかなどを確認して、最後にパノラマ写真を撮影して今回のオペは終了となりました。
翌日、消毒に来院された際に症状を確認したところ、ズキズキとした痛みが少しだけあるものの、痛み止めを飲むと落ち着き、出血もすぐに止まったとのことで一安心です。