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お口は万病のもと~歯周病と関連のある病気をお口のケアで防ぐ~

みなさん、こんにちは。伊藤歯科医院カワニシです。

お口は万病のもと。第3回目は、「歯周病と関連のある病気をお口のケアで防ぐ」です。


誤嚥性肺炎

高齢者の感染症による死因の多くが、食べ物や唾液が誤って肺に入ることによっておこる「誤嚥性肺炎」です。

誤嚥性肺炎はお口の中の細菌が肺に感染し、炎症が起こる病気です。

この誤嚥性肺炎は、お口の中を清潔にすることで発症のリスクを大きく下げることができます。

そのためには口腔ケア重要です。

また、お口の中を歯ブラシ等で刺激することも、誤嚥予防に効果的なことも分かってきています。


心臓病(冠動脈疾患)

狭心症や心筋梗塞は動脈硬化によって心筋に血液を送る血管(冠動脈)が狭くなったり、塞がったりしてしまったりすることで起こる病気です。

日本の研究では、歯周病を冠動脈疾患との間に関連性があることが報告されています。

歯磨きと動脈硬化の関連を調べた実験がありますが、歯磨きを中止すると動脈硬化の血液マーカーが上昇し、歯磨きを再開するとマーカー値が正常に戻りました。


糖尿病

糖尿病は、体内にブドウ糖を取り込むために必要なインスリンというホルモンが効きにくい状態になったために、ブドウ糖が有効に使われず。血糖値が高くなっている状態です。

糖尿病と歯周病は、お互いに影響を及ぼす関係です。

歯周病になると歯周ポケットから血液中に放出された炎症性物質によりインスリンが効きにくくなり、糖尿病が発症・進行しやすくなります。

逆に、高血糖の状態が続くと、免疫の働きが低下するため、歯周病が発症・進行しやすくなります。

近年では、インプラント治療の成功率や長期の安定性に糖尿病が影響していることも明らかになってきました。

このように歯周病と糖尿病はお互いに影響を与える関係なので、適切な歯周病の治療により血糖コントロールが改善できることが世界各国の研究によって明らかになってきています。

脳卒中

脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など、脳の血管トラブルが起きる病気が脳卒中(脳血管疾患)です。

たとえ命が助かったとしても重い後遺症が残ることが多く、寝たきり(要介護5)の最大の原因になっています。

重度の歯周病は脳卒中の危険因子であることが多くの研究により報告されています。

「歯周病で歯を失った本数が多い男性は、脳卒中を起こしやすい」という研究結果も報告されています。

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