こんにちは、広報・受付担当トガワです。
前回、構造タンパク質として代表的ものをご紹介しました。
今日はその続きをお話していきます。
口の中には、ムチンのような物理的バリアやグロブリンの免疫的バリアに加えて、もうひとつ化学的バリアがあり、身体を守ってくれています。
化学的バリアとは唾液に含まれるリゾチームやラクトフェリンなどで、強い抗菌作用がある物質として知られています。
リゾチームは細菌の細胞膜を水分分解して、ラクトフェリンは細菌から増殖に必要な鉄を奪って作用します。
またこれらは腸内細菌に良い影響を与えることもわかっています。
グロブリン同様、リゾチームもラクトフェリンもタンパク質から作られています。
このように、歯ぐきや口腔粘膜は常に感染のリスクにさらされながらも、物理的、化学的、そして免疫と何重ものバリアに守られているのです。
そしてそこでも、タンパク質は大きな役割を果たしています。
生体恒常性を保っていくために、タンパク質が大切だということをご紹介してきましたが、ではいったいどんなタンパク質をどのくらい摂ればいいのでしょうか?
タンパク質の種類は食べ物によって異なりますが、ヒトの生命活動に必要なアミノ酸組成という意味であれば、植物性より動物性のほうが有利といわれています。
ビタミンB群も動物性食品のほうが豊富で、吸収のより有機鉄(ヘム鉄)は、お肉からしっかりと摂取できます。
では、量はどうでしょうか?
身体のタンパク質を目減りさせずに生体恒常性を維持するには、少なくとも体重1kgあたり1gのタンパク質摂取が必要とされています。
つまり、体重60kgの場合、1日最低60gが必要となります。
筋肉でのタンパク質代謝が高いアスリートの方や妊婦さんなどは、必要量がさらに増えます。
しかし実際、60gがどれだけの量か想像つかないと思います。
たとえば赤身のヒレ肉の場合、100g中に含まれるたんぱく質は20g程度です。
これだけで1日の必要量を摂取しようとすれば300gのお肉が必要となります。
タンパク質はしっかり意識して摂取しなければ、必要量を確保できないといわれています。
ご飯を食べるときにタンパク質のことを思い出してみてくださいね!