こんにちは、広報・受付担当トガワです。
タンパク質は身体の他の組織と同じで、歯ぐきや歯根膜、歯槽骨などの歯周組織にとっても、最も大切な基本的な構成成分です。
また、唾液が果たす多くの機能を発揮するためにもタンパク質は欠かせません。
今日はそんなタンパク質の、構造タンパク質として代表的なコラーゲン、機能タンパク質として大事な免疫グロブリンAなどについてご紹介します。
歯周組織のコラーゲン代謝は、歯槽骨だと6日、歯肉では5日と非常に活発です。
そのなかでも歯根膜はわずか1日と非常に短いことがわかっているそうです。
歯周組織は傷の治癒能力が非常に高い反面、栄養素の不足による影響を受けやすい組織だと考えられています。
ヒトの歯肉の結合組織のうち、約6割が線維性タンパクで、その主なものはコラーゲンです。
ビタミンC欠乏症である「壊血病」の主症状の一つに「歯肉出血」がありますが、これはビタミンCの欠乏によりコラーゲンの合成が阻害され、歯肉が脆弱になるために生じるそうです。
歯根膜では、繊維成分のほとんどがコラーゲンです。
先にご紹介したとおり非常に代謝が活発なので、矯正治療で歯を動かしたり、抜けた歯の移植や再植術が可能となっています。
歯槽骨では、無機質成分(ハイドロキシアパタイト)を除いた骨の有機質成分は全体の約1/3で、その8割以上がコラーゲンです。
骨の基本的な骨組(基質)の材料として非常に重要で、「骨質」に大きく影響するといわれているそうです。
骨粗鬆症に伴う骨の強度の低下では、「骨塩量の減少」が注目されがちですが、骨質も関与しているといわれています。
口腔粘膜の特徴は、表面が粘液(唾液)でカバーされていることです。
これは乾燥している皮膚とは決定的に違うところです。
この粘液がきちんと分泌されているかどうかで、消化管の最前線である口腔の免疫機能が左右されます。
唾液の分泌が減少してドライマウスの状態になると、口腔の免疫機能が十分に発揮できなくなります。
粘液のネバネバのモトはムチンというタンパク質の一種です。
そして病原体を排除する機能を果たしているのは免疫グロブリンAというものです。
免疫グロブリンAは、粘膜の免疫力の中心を担っていて、こちらもタンパク質から作られています。
では次回はこの続きをお話していきます。