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抗がん薬と歯科治療②

こんにちは、広報・受付担当トガワです。

前回抗がん薬の副作用について少しご紹介しました。

今日はその続きで、歯科治療を行うにあたり注意すべき副作用についてお話していきます。

特に注意すべきは、
1.骨髄抑制
2.悪心・嘔吐
3.創傷治癒遅延
4.口腔粘膜炎
の4つでした。

骨髄抑制期では、白血球数低下により感染しやすい状態、血小板数低下により出血しやすい状態となるため、観血処置は避けるべきとされています。

がん治療を受けている患者さんは、必ず検査値を確認することが必要です。

血小板数値が低値の場合は、出血症状が助長される可能性があるといわれています。

次に悪心・嘔吐についてです。

抗がん薬投与開始後から数日のうちは、悪心や嘔吐が出やすい期間となります。

悪心・嘔吐の症状が強い患者さんの場合、この期間に口腔内の処置を行うと症状を悪化させる可能性があります。

症状の程度は人によって大きく差が出るため、我慢せずに状態を伝えることが大切です。

創傷治癒遅延は、血管新生阻害作用を有する分子標的治療薬で起こるといわれています。

侵襲の大きな歯科治療を行うと、創傷治癒障害による合併症(創傷部の感染など)の可能性が高くなるそうです。

基本的には大きな侵襲を伴う治療は避けるのがいちばんですが、歯科治療が必要と判断される場合には、対象の抗がん薬を休薬してもらう必要があります。

そのため、医科の主治医の先生と連携をとって、薬剤の休薬や治療のタイミングを確認しながら治療を行うことが必要となるのです。

最後に口腔粘膜炎です。

これが歯科にとってもっとも介入しなければいけない副作用です。

口腔粘膜炎の発現頻度は抗がん薬治療で約40%、抗がん薬以外のがん治療としては、造血幹細胞移植では80%放射線治療の頭頸部がんでは100%とされているそうです。

発生機序は抗がん薬による直接的な粘膜障害によるものと、骨髄抑制期に免疫機能が低下し、口腔内の細菌や真菌による局所感染によるものがあります。

では次回も抗がん薬に関するお話をしていきます。

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