歯のこと

女性ホルモンと口腔内~更年期・老年期~

こんにちは、広報・受付担当トガワです

更年期は閉経を挟む前後5年間にあたりますが、女性ホルモンの分泌が減少していき脳とホルモンの調整がうまくいかず、自律神経のバランスが崩れやすくなります。

そのため、のぼせや発汗、イライラやうつ病などの精神症状が現れるといわれています。

また、更年期から始まった女性ホルモンの減少によって骨密度が低下するため、女性は骨粗鬆症になりやすくなるのです。

更年期の口腔内に注目すると、歯の根元のむし歯歯肉の退縮がみられるようになります。

50歳以降にドライマウスを訴える患者さんが増加する傾向にあるのも特徴です。

唾液量が減少し始めるため、舌や頬粘膜に乾燥が見られ、疼痛を起こすことも少なくありません。

ドライマウスの原因は、加齢やストレス、薬物の副作用が原因といわれていますが、唾液腺に対する性ホルモンの影響も報告されています。

高齢の方で、誘眠剤や安定剤を服用されている方も多いですが、とくに向精神薬は口渇の副作用があります。

しかしあきらかに多量に服用しない場合に限り、体調を整えるためにも医師の指示通り服用するようにしてください。

また更年期は、シェーグレン症候群の好発年齢であるといわれています。

その中でも、発症の男女比では1:13と圧倒的に女性が多いことがわかっています。

女性ホルモンは骨代謝のほかにも、コレステロールの代謝にもかかわっています。

そのため、女性ホルモンの分泌が減少してくると、骨粗鬆症に加えて高血圧や高脂血症、動脈硬化、糖尿病、心疾患になりやすくなります。

また、認知症は男性と比べて2~3倍の確率で発症するといわれています。

 

閉経後の女性の歯の総数と骨密度の間に相関があること等から、歯周病は骨粗鬆症のリスクファクターに挙げられているそうです。

歯周病と骨粗鬆症を併発している患者さんの歯槽骨吸収量が、健康な方と比べると大きく差があることが報告されています。

骨粗鬆症治療薬のビスホスホネート製剤は、長期に投与されていると抜歯などをした際に顎骨壊死を発症することがあります。

口腔管理を徹底して、歯周病を併発させないことが大切です。

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