こんにちは、広報・受付担当トガワです
これまでの歯科医療はむし歯や歯がなくなった部分を補ったりといった形態を回復する治療が主体でした。
しかし今後は全身疾患を抱えて通院が困難な高齢者の口腔機能を維持回復することを中心とした治療が求められてくると言われています。
口腔機能が低下すると全身の健康にも影響を及ぼします。
口腔機能低下症は、むし歯や歯周病のようにメジャーな病名をつけることはできないようなお口の症状をいいます。
「オーラルフレイル」という概念がありますが、これは口腔機能の衰えを意味するもので、口腔機能低下症の前段階として区別されています。
オーラルフレイルの段階では、注意して生活することで健康を取り戻すことができます。
口腔機能低下症の可能性がある場合には、歯医者にかかる必要があります。
口腔機能低下症という疾患の概念と、診断基準がキッチリと決まってはいませんが、これから紹介する7つの症状と、そのうち3つの項目にあてはまるものを口腔機能低下症と診断することができるそうです。
7つの症状とは、
1.口腔不潔
2.口腔乾燥
3.咬合力低下
4.舌口唇運動機能低下
5.低舌圧
6.咀嚼機能低下
7.嚥下機能低下
です。
以上が口腔機能低下症の診断基準と診断に必要な症状といわれています。
このように、口腔機能低下症はいくつかの口腔機能の低下による複合要因によって現れる病態なのです。
高齢者は、加齢だけでなく疾患や障害などさまざまな要因によって口腔機能が障害されやすい状態にあります。
口腔機能が障害されると、口からの栄養摂取へ悪影響がでてきます。
実際に研究に同意いただいた入院患者へ、口腔機能と口腔衛生に関する項目を測定した研究結果があります。
そこには、低栄養となっている群では多くの口腔機能が低下していることがわかりました。
加齢による影響をみてみると、高齢者では、64歳以下の若年者と比べるとより多くの口腔機能の項目が低下していることがあきらかになったそうです。
これにより、低栄養は口腔機能の低下と関連していることがわかり、口腔機能低下を評価することは全身の健康にも影響することがわかりました。
では次回から口腔機能低下症の診断基準項目について詳しくご紹介していきます。