歯のこと

ライフコース疫学から

こんにちは、広報・受付担当トガワです。

前回ライフコース疫学に関するお話をしました。

ライフコース疫学から、80歳で20歯以上保有している人は、そうでない人に比べて以下のような特徴があることが明らかになってきました。

①両親のしつけが厳しかった
②歯肉が腫れることが少なかった
③歯の治療を早めに受けた
④かかりつけの歯科医院があった
⑤甘い物を食べないように心がけた
⑥タバコをすわなかった
⑦摂取食事カロリーが少なく、
⑧摂取食品数が多かった
⑨魚と野菜の摂取が多かった

等が挙げられています。

80歳で20歯以上保有する人と、年齢と性別が同じ人を対象とした調査では、甘味嗜好は母親から影響し、またそれは小児期や成人期の歯の保有に影響していることがわかっています。

喫煙習慣でみると、やはりタバコを吸わない人が8020を達成しやすいですが、喫煙をする年齢はあまり関係はないということでした。

しかし20歳から60歳の成人期を通した蓄積結果では、吸わない人の方か3倍以上も8020になりやすいことが証明されています。

上図は、現在得られているデータから、ライフコースの考え方に8020に図式化したモデルです。

フッ化物は、児童期の第一大臼歯、児童期高学年や生徒期の第二大臼歯、そして成人期の歯の健康に影響します。

甘味嗜好に関する食生活形成は、母親の甘味嗜好がベースになり、小児期、思春期、成人期と続いて蓄積して歯の健康に関係しています。

歯の外傷はそれぞれの児童、生徒、学生のときの運動、スポーツ、また生活習慣のスタイルが蓄積して結果が生じます。

歯肉炎や歯周炎の歯周疾患について、小学校4年生で30%、中学校2年生50%、高校生や大学生になると70-90%が歯肉に異常があることがわかっています。

40歳以降に歯の喪失が増加していますが、すでに大学生や成人期で歯周疾患を有しているのです。

ウイルス性疾患有病と歯肉炎との関係があるという研究もあり、歯肉炎の予防は歯科のみでなく、インフルエンザやHIVなどウイルス性疾患の予防にもつながると言われています。

小さい頃からの習慣がずっとお口の健康に影響していくと考えて、今からでもぜひ生活習慣を見直してみてください。

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